ハァイ!TIGER&BUNNYの、昨夜まで原稿に追い込まれて終業式に寝坊した方、奈緒です!



「何故終業式に遅刻したんだ鶴谷!!」
「木下先生、白雪姫は実はリンゴアレルギーだったのではないかと考えていたところ」
「もういいお前帰れ」
「やめて見捨てないで先生!」


もうどう入ったって遅刻は遅刻だ。堂々と前の扉から入っていったらおでこにチョークが飛んでくるとは思わなんだ。先生ヒドイや!

「早く席座れ」
「はぁーい」


こういうときコミュ障じゃなくてよかったってしみじみ思う。だって今の一連の流れで教室中に笑われてんだぜ私。奈緒ちゃんたら人気者ーッ☆


お前ら知らないだろが俺のバッグの中には今出来たての無料配布が入ってんだよ親家が入ってんだよちなみに京子のリクエストにより仏米も入ってんだよぐふふ。




ふと、何故かこのタイミングで久々知くんと目が合った。

何なの今日いい日だわでもその曇りなき眼は竹谷くんのために使って私みたいな腐った女は映さないでお願いこっち見ないで。っていうか久々知くんにまで笑われてる死にたい。


昨日は何してたんですか?竹谷くんと一緒に帰ってるところ見ましたけど?あれは放課後デートでいいんですか?え?いいんですよね?ん?

ところで同じクラスの尾浜くんは高みの見物でもしてたんですか?どっちを寝取ろうかとか考えてたんですか?そうくるのなら尾久々でオナシャス。久々知くんは総受け。




心の中で一通り興奮し終えて、席につくまえに漫研の京子の方へ歩み寄る。


「京子さーん、昨日ノート借りっぱなしでごめんね!」
「あ、いえ、大丈夫です。あ、私も、これ、昨日お借りしてた電子辞書ですありがとうございました」
「どういたしましてー」


何がありがとうございましただよ気持ち悪いwwwww昨日「仏米描けコラ」ってメール送ってきたのテメェだろwwwwwwwww優等生ぶってんじゃねぇよwwwwwwwwwwww


借りていたノート、借りていた辞書と言うのはフェイクである。あれは私の現文のノート。それももう書けなくなったやつだ。辞書も京子の。後で返す。

あのノートの間に無料配布のやつと注文の仏米が挟まっているのだ。教室でこういうもののやり取りが出来ないし、教室でこの二人とはあまり関わらない。だから絵などはこのノートに挟んで渡す。

っていうか京子には昨日何か描けとは言ってない。何が挟まっているのだろう。
席につき辞書を少しだけ開くと、中からメモが。



【真美と放課後コミケの打ち合わせしようぜ奈緒の興味のありそうな人をまとめた地図作ってきたわ】



仕事はえぇぇwwwwwwwwwwwていうか天才かこいつwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww


思わぬ仕事の早さに腹筋をやられ思わず机に突っ伏した。肩が震える。もう休み時間だったら大声で笑っていたかもしれない。

私は離れられないしスケブなんて頼まれたらもっと離れることが出来ない。だから買うのはこいつらに任せる。前のオンリーのときも二人が行くって言うから買い子頼んだなあの時はまじで助かった今回も宜しくお願いします。

バッグの中で京子と真美に了解したというメールを送る。


何故こんな探偵みたいな真似をしているか?そりゃここまでやらないと周りの人にばれるかもしれないからだよ。

どうせホモが好きだなんて知られたら白い眼で見られるに決まってる。別に誰かにこの趣味を理解して欲しいなんて思ってない。強いて言うならほっといてほしい。ただそれだけ。


あぁもう本当にあいつら二人さえいいよと言ってくれれば堂々と教室で話せるのに。
まぁ友人に迷惑はかけられないもんね。数少ないこの趣味を理解してくれる人だし。仕方あるまい。


私は木下先生の話もそこそこに幸佐オンリーの本をどういう話にしようかということでいっぱいいっぱいだった。机の中でケータイをいじりながら。






















終業式を終え、職員室にて今朝の遅刻について木下先生に軽く説教をされた。木下先生声大きいよ…。あのテラハンサムの土井先生に笑われてしまったではないか…。

通知表を手渡され、3の多さにげんなりした。まぁアヒルさんが無かっただけましか。

そういえば今日は久々知くんと竹谷くんの絡みを見ていない。昨日一緒に帰ってるなんて衝撃的なところ見たから今日はその分お預けってか。クソックソッ。


今日はこのあと近くのカフェであいつらと待ち合わせだ。とっとと教室に戻りバッグ取ってこないと。






コツン、






教室に向かい歩いていると、上履きが何かを蹴っ飛ばした。コロコロ転がり遠くで止まる。やば、何蹴っ飛ばしちゃったんだろ。あわてて追いかけて蹴飛ばしたものをみると、四角い、何かのキーホルダー。

なんだろこれ。





とうふ?





「あ、」
「?」


あ、王子だ。


「久々知、くん」
「あ、あぁ、その、」


王子がどもっておられる。どうなされたのだろう。

バッグを肩にかけ走っていたのか、呼吸が物凄く乱れていた。何、竹谷くんでも探してたの?何て聞けない!!!二人の間を邪魔することなんて出来ない!!私は立ち入っちゃいけないもの!!!


「忘れ物?」
「忘れ物、じゃなくて、お、落し物をして…」


そういえば久々知くんと喋ったの、初めてかもしれない。いつも遠目からハァハァしてただけだ。久々知くんテラいい声ですね。その良い声して竹谷くんの下か上で啼くんですか!?!?!?


「あ!そ、それ」
「へ?」

久々知くんの指差す先は私の手。その中にあるのは、さっき蹴っ飛ばしちゃった"はんなり豆腐"とかかれた可愛らしい豆腐のストラップだった。


「…これ、久々知くんの?」
「……そう…」






な に そ れ 可 愛 い ! ! !


王子豆腐のキャラクターのストラップ身に着けてたんですかなんですかそれ可愛いですね!?!?そういえば

「久々知くん豆腐好きだもんね」

食堂で竹谷くんに奢ってもらってたし。



「え、なんで、その事」




ギェピーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwうっかり口に出してしまったでござるーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww



「え、あぁ、たまに食堂で食べてるとこ何回か見たことあってさ」
「そ、そうなんだ」


危ねえwwwwwwまじ危ねえwwwwwwwwwww間一髪回避したったわwwwwwwwwwwwww


「あ、そうだごめんね。さっき落ちてるの気づかなくて蹴っ飛ばしちゃって…はい」
「え、あ、別に。も、もらい物だから」


竹谷くんからですかねーーーーーーーーーー!?!?!?その嬉しそうな顔は竹谷くんからなんですかねーーーーーーーーー!?!?!?!?彼氏からのプレゼントならそりゃ嬉しいですよねーーーーーー!?!?!?!?


一瞬触れた久々知くんのお手てスベスベだったでござる…。この手で竹谷くんのお手を握っておられるのだろうか…。王子はどこまで王子であれば気がすむのだろう。よく見りゃ睫毛も長いし髪も短髪ながらふわふわだし美しすぎるにも程があるわ。これは3年の立花先輩も嫉妬するレベルかもしれない。美しすぎるは罪だよ王子。


「じゃ、良い夏休みをー」


きっと竹谷くんとデートでしょうね。はいはい美味しい美味しい。









「あ、あの!鶴谷さん!」











「は、はい?」






「こ、これ、拾ってくれてありがとう!」


久々知くん超嬉しそう。そんなにそれ大事だったのか。



「いいえ、御気になさらず。そんじゃバイバイ!」






ビックリしたー。急に呼び止めるんだもん。

っていうか久々知くん私の名前知ってたんだ。









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「お待たせー」

「遅いよ奈緒ー。」
「何やってたんだよノロマ」

「黙れクズどもまさかの久々知王子と喋っちゃったよ」

「「竹谷くんとの関係をkwsk聞いたんだろうな!?!?」」


「あ、」


「使えねぇな帰れ」
「てめぇに見せる地図はねぇ」

「そんな殺生な!うっかり忘れてたんだってーーー!!」

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