「流れるプールならあの売店の裏をずーっと行ったところだよ」
「ありがとうお姉ちゃん!」
「ん、気をつけてねー」
こんちは。奈緒ちゃんです。どうも。暑いです。死にそうです。
ただいま市民プールでアルバイト中です。暑いです。
いやそりゃ私だってバイトぐらいしますよ。いつもは近所の本屋でバイトしてるんですがね、今その本屋さんが改装工事するとかいうんでお休み中なんですよ。それで夏休みにニートだなんて暇すぎる、ってなわけで紀子に紹介してもらってここでバイトしているわけです。
いいですよここ。一日中プールサイドぐるぐる歩いて監視してるだけで時給900円ときたもんだ。そりゃそうですよ、こんなクソ暑い中、焼け石みたいなプールサイド歩くのだってツラいんだから。それぐらいの時給しますよね。
とりあえず夏休みも後半に入り、幸佐のオンリーも終わり、うだうだ宿題をやりながら夏休みを満喫しています。私だって引きこもりのオタしてるわけじゃない。あの二人と違って私はお天道様の下で胸張って生きてるよこのDカップ張って生きてるよ。そういう情報要らないですか。はい。
それにしても今日はめちゃめちゃ人が多いなー。もう夏休み終わるからハシャいでんのかなー。
もう仲良くなったバイトの人から売店のヘルプ入ってくださいって無線来たとき「無理でーすwwwwwwww」って断ったった。
だって監視イソガシイカラ!売店ナンテデキナイヨ!
ただでさえあそこレジないから頭で計算しなきゃなんないし!人多いし!カキ氷食べたくなっちゃうよ!!嫌だよお預け食らってみるたいで!
っていうかさっきの無線で「こちらスネーク」って言って出たら「えっ」とか言われたときちょっと泣きそうになっタンゴwwwwww先輩一般人でしたーーーーーwwwwwwwwwww
さてあと1時間ぐらいであがれるかな。もうすぐお昼だしなぁお腹減った。お弁当持ってきたしどっかでのんびり食べて上がろうかな。
今日予定無かったらこのままプールで午後遊ぼうって京子と真美に連絡したのに!昨日はおkの返事貰ったのに!!
「やっぱり今日は外にでたくないでござる\(^0^)/」
「太陽に会いたくないって言われたwwwwwwwwww」
ってメール来てぶち殺してやろうかと思ったわ。
せっかく結構な量の弁当作ったのに!!クソが!あいつら見かけによらず暴食だから用意してやったのに!あいつら絶対許さない利き腕と共に刃出させる。まじ斬滅。
なんでこういうときに限って紀子はシフト重なってないかなー。
あー。水着姿で戯れるスカイハイとキッドたんください。キッドたんのスク水!そして、キッドたんのスク水!
あつぅ!と帽子を外して汗を拭う。ポニテにしといて正解だったわ。首元ベッタべた。まじで暑いな。あとで先輩にアクエリ奢らせよう。
「あのー、すいません?」
最後はスライダーの方行ってみるかーとスライダーの領域に足を踏み入れたとの時、つんつん、と肩をつつかれた。くるりと振り向くと
「あれっ!?」
「あ!やっぱり!1組の鶴谷奈緒さん、だよね?」
「えっと、不破さん?あ、鉢屋さん?」
「不破雷蔵であってるよ!」
雷鉢の攻めの方がいた。
うおおお水着姿素敵ですね!!不破くん意外と腹筋あるんですね!!しっかりしてるんですね!!!触っていいですか!?筋肉フェチなんです!!!!
「腹筋触っていいですか?」
「え!?いきなり!?」
「あ、ごめんなさい」
奈緒ちゃんたら超正直もの☆ウフフ☆オッケー☆
そして「別に構わないよ」と言ってくれる不破くんまじwwwwwうほほwwwwwwwしっかり鍛えられているでござるブヒヒwwwwwこれは鉢屋くんとの営みで鍛えた結果ですかねーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwww
「うわ、こんなところで会えるなんて思わなかったよー!鶴谷さんは、えっと、この格好からするとバイト?」
「そうですよー。今日はもうそろそろ上がりですけど」
「そうなんだ!お疲れ様!」
「雷蔵ォオオ!一番高いやつスピード超出t…って、……あれ!?鶴谷さん!?」
「あれっ!?尾浜くん!?」
あれーーーーーー!?!?!?!?!?尾雷なんです!?!?今日は尾浜×不破でデートなんです!?!?!?水着デートですか!?!?!?もしかして日焼け止め塗りあったりとかしたんですかウホホホホどこまで塗りあいっこ♂したんですかkwsk!!!!!!
あ、尾浜くんは総攻め(とあいつら三人の仲で決まっている)ので必然的に不破くんが右です。えぇ。譲れません。
スライダーのほうから走ってきた尾浜くんは物凄い勢いで不破君に抱きついた。あれ、やっぱり尾雷なんですかなるほどこれ予想外ですわ♂大穴過ぎましたわ今日スケブもってないクソックソッ!!
「バイト?」
「そうだよー」
「へぇー、こんな暑いのに大変だね」
「いやぁそれほどでも。お二人?」
「いんや、他にもいるんだけど、休憩っつって荷物見張ってるよ」
「そうですか」
終始不破くんに抱きつく尾浜くん。
写メ撮っていい?いいよね?イチャイチャ見せ付けてるんだよね?別にいいよnアッー!!ケータイ更衣室だったファック!!!!
「鶴谷さんはお昼に上がっちゃうんだって」
「え、じゃぁ終わったら俺らと遊ぼうよ。暇でしょ?」
暇と決め付けられ心外。
いやまぁ暇だけどね!!!!!予定潰れたから暇だけどね!!!!!!!!
「いやぁお邪魔するわけには…」
「いいっていいって!遠慮すんなよ!同じ学校のよしみじゃん!」
「それに鶴谷さんいてくれれば……虫除けにもなるしね…」
「…言うなって…」
「あ、察した。大体察せた」
あ、もしかしてそのゲンナリしたお顔。逆ナンってやつにうんざりしてたんですよねそうですよね。そりゃそうだ貴殿方クソイケメンだもんそりゃ水着のナイスバデーのお姉さん方がほっとくわけないわ。
っていうか「デート中だから邪魔すんな」ってお手手恋人繋ぎしてそれみせつければいいんじゃないですかね????ね????
「ね!遊ぼうよ!」
「あ、いや、だから私は」
「あーもう!じゃぁ俺らを助けると思ってさぁ!!」
どんだけ逆ナンされてたんスかwwwwwwwwwwどんだけウンザリしていたんスかwwwwwwwwwwwwwwwwwwなんていうかもうモテるって大変ですねーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww#ふざけんな
あっ!思わずクセでハッシュタグを…!!
《奈緒ちゃん?生きてる?》
急に無線がガーッと腰で鳴る。あ、先輩の声。
「はいはい、倒れてませんよ?」
《あ、生きてたか。もう戻っておいで。そろそろ時間だからあがっちゃっていいよ》
「了解でーす」
ブチリと無線を切って視線をあげる。ニコニコしたお二人の視線が痛い。くそっ、無線のタイミング悪すぎだわ。
「…解りました。じゃぁ、お一つ条件が。」
「なになに?なんでもする!」
「私、今日かなり大量のお弁当あるんですよね。本当はこのまま友達二人とここで遊ぶ予定だったんで。でもドタキャンされまして。その弁当全部、綺麗に、食べきってくれますか?」
「まじで!?そんなもんでいいならいくらでも食べる食べる!!」
「鶴谷さんいいの?勘ちゃんかなり大食いだよ?」
「かなり大食いのやつら用に作ってきたんです」
「はは、それなら安心か」
一旦更衣室戻るねと言い、ご友人と待機している場所を教えていただく。なるほどあっちの方ね。
「じゃぁ後でお邪魔しますね」
「うん、待ってるね!」
「後でねー!」
抱きついたままもう一回スライダーに乗りに行った。
あいつら、絶対ホモだ。
更衣室に戻り着替えを済ませ、荷物を持って彼らの待つ場所へと向かった。「乙でーーーーーすwwwww」って先輩のおっぱい揉んだらケツ蹴られた。最近ケツ蹴られること多すぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwワロタ…。
「あー!鶴谷さんこっちこっち!」
「おー、尾浜くー………」
戦慄した。
鉢屋くんがいる。竹谷くんがいる。久々知王子がいらっしゃる
うおーーーーーーー!!!!!!本命の竹久々が添い寝してるーーーーーーー!!!!!!水着で添いしてるーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
ホモだーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!
まさか、あのイケメン集団が全員集合しているとは予想外DEATH!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
全員水着ですか!!!!!!!!!!!!!!!!
なるほどこれ完全にシャッターチャンスですねーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!
「え、ちょ、なんで写メ撮ってんの」
「大丈夫気にしないで」
「何が大丈夫なの!?」
私のスマホが火を吹いた(連写的な意味で)。
「あぁ、兵助のクラスの鶴谷さんか」
「こんにちは鉢屋さんお邪魔します」
「こんちは。ここでバイトだったんだって?お疲れさん」
木陰で寝転ぶイケメン集団とかこれ確実に学園のほうでカレンダー出すとき8月の写真この場ですよね出す予定ないですか会計委員の潮江先輩そんなもの出しませんかなるほどですよね。
「鶴谷さん?あ、兵助のクラスの」
「竹谷さん、ですよね。お邪魔しますー。」
「八左ヱ門でいいって。俺も鶴谷って呼び捨てさせて」
「うん、いいよ。じゃぁ竹谷くんでいい?」
ハチって呼びそうになったけど犬かよwwwwwwwと自分で自分に突っ込むwwwwwwwwwwwwwハチとかワロリンティエーヌwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwごめん
っていうか竹谷くん久々知くんの横で寝てましたね今!!!!!完全に添い寝でしたよね!?!?!?!?!?!?どうしてそうなったんですかどうして添い寝してたんですかどうしてこんなところでもイチャつけるんですかねぇねぇねぇ
どうして私の目の届かない夏休みという期間でこんなにイチャイチャしてるのいや別にいいんだけどさ。
っていうかみんな「兵助のクラスの」って久々知くん推しすぎじゃねwwwwww尾浜くんも同じクラスですけどもwwwwwwwwwwwwwwwwww
「久々知くん、久しぶりだね」
落ち着け私。王子にもご挨拶しなさい。
「あ、あぁ久しぶり」
「終業式のあれ以来だ」
「そう、だな。あん時はありがとう」
「いえいえこちらこそあれ蹴っ飛ばしちゃってごめんねー」
久々知くんまじ肌白すぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwなんでこんな美白男子なのwwwwwwwwwwwwwwwしかし腹筋あるwwwwww鍛えてあるwwwwwwwwwwwwどwうwいwうwこwとwなwのwwww
女の子に喧嘩売ってんの?
(真顔)
「久々知くん着痩せするタイプなんだね腹筋ヤバいね私筋肉フェチなんです突然ですが触って良いですか」
「は!?」
「すいません調子に乗りました」
くそーーーwwww嫌がられたでござr
「いや、別に、かまわないけど」
久々知くんはツンデレなんですかねーーーーーーーー!?!?!?
新しい一面発見で吐血しそう。
すごいすごい言いながら腹筋触ってる私変態すぎワロタwwwwwww
「ちょっと待てよ鶴谷、俺のほうが腹筋ヤベェから」
おほーーーーーーーwwwwwwwww竹谷くん嫉妬ですか彼氏に触りまくってる私に嫉妬ですか「俺の彼氏に触るんじゃねぇ」ってことですかなるほどなるほどーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
うほっwwwwwwまじだ竹谷くんもやばいwwwwwwwwwwwwww
そして俺もやばいよと一通り腹筋を触らせてもらうwwwwww変態すぎだろわたしwwwwwwっうぇwwwwwwwwwwww
「鶴谷さん、俺腹減った……」
「あぁそうだったごめんね尾浜くん。どうぞどうぞー」
興奮しすぎてお弁当のことすっかり忘れてた。
重箱かよレベルのお弁当を荷物から取り出し全部広げる。大食いのあいつらにしても多すぎたかもしれないけどこの人数の男性になら全部食いきってもらえるだろう。
「お約束どおり、全部食べてくださいね」
「お安い御用過ぎるんだけど」
「鶴谷さんまじ女子力高いね」
「うわ卵焼き美味しそういただきます!」
「箸足りないのだ俺売店で貰ってくる」
「頼んだ兵助」
お箸を持ってきてくれた久々知くんは同時に「はい、バイトお疲れ様」ってカキ氷奢ってくれた。王子イケメンすぎだろ自重しろ。
「お口に合わなかったらごめんねー」
とは言ったもののうめえええ!!って全員叫んてくれたのでもう満足でござる。
ヤバイな、この集団とプールで過ごしただなんてファンの子たちに知られたら、こ、殺されるかもしれん……!!!
「鶴谷、顔色悪いぞ。大丈夫?」
「いや竹谷くん大丈夫こちらこそごちそうさまです」
「え?」
「あっ」
またつい出ちゃったテヘペロ☆
イケメン集団とプールナーーーーーーーーーーーーwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
まだ死にたくないです