キリ番ヒット 夏 様リクエスト
「先輩夢主と5年生のギャグで、最後はほのぼのな話」
































「何をそんな不細工な顔している?」

「あ、名前先輩!」
「やぁ兵助、と、その他五年生。ここ座ってもいい?」
「どうぞどうぞ!」


手に持つB定食をテーブルに置き椅子に腰かけ頭のうっとおしい頭巾を外し、箸を手に持ちいただきますと呟いた。周りに座っていた五年生も挨拶すらしていなかったのか、私に続くように手を合わせていただきますとつぶやいた。今日はエビフライ定食だ。

授業が終わったのが少々遅かった。と、いうより私だけなのだが。シナ先生に後輩のくのたま達が次の授業で使う虫を、三年の伊賀崎から借りてきてほしいと頼まれてしまったため、ジュンコを探し回っているであろう伊賀崎をあっちこっちで探していたのだ。無事見つかったのがついさっき。無事に虫を借りれシナ先生に届けた時には、後輩のくのいち達はもう食事を済ませ長屋に戻ってきていた。

私は午後の授業はない。ゆっくり食事でもするかと来たのはいいが、忍たまたちで席は埋まっていた。一つだけあいている席に入ってくるほど、図太い神経を持ち合わせた後輩はいないみたいだ。


「で?お前らがそろいもそろってそんな顔していたのは何だ?可愛い顔が台無しだぞ?」

味噌汁を啜りそう問いかけると、「あぁ〜…」と三郎が重い口を開いた。


「実は夕食当番のことで…」
「夕食?」

「今日のろ組の夕食は雷蔵が作る当番だったんですけど…」
「ほう」
「実は急遽五年生全体で野外実習が入ってしまって…」
「おや」

「じ、自分で言うのもあれですけど…僕って悩み始めるとかなり時間かかっちゃうじゃないですか。だから僕が食事当番の時は二時間ぐらい前から台所にこもりっぱなしって感じなんです。でも野外実習じゃ結果によっては何時に帰ってくるか解んないし……もしかしたら僕より先に帰ってくるヤツもいるかもしれいって考えると……」


「なるほどな。じゃぁい組の連中が代わりに作ったら………そうか、五年全体ならお前らもか…」

茶碗を置くと、勘右衛門が額に手を当てて「そうなんです」と深く深くため息をついた。

「うちのクラスは俺が担当なんですけど…」
「勘右衛門もヘタすりゃ時間に間に合わないかもしれないのだ」

「そうなんですよ!っていうか野外実習終了後にあんな大人数分の食事作るなんて体力的に無理ッスよ…」


野外実習大好きな勘右衛門が此処まで項垂れている。つまり、野外実習と言ったが、きっとそれは"忍務"だ。
明日は休校日だし、今日の夜のそれなら十分あり得る。忍務なら、各個人で内容が違うだろうし、帰ってくる時間帯がバラバラなのも頷ける。野外実習なら全員そろって点呼、後にいっぺんに帰ってくるのが普通なのだから。

確かに忍務があるのでは食事など作っている場合じゃないだろう。報告をして必要なら匂いが染み込む前に血を流すため風呂に入ってと食事の準備にありつく前に色々とやるべきことはたくさんある。私も忍務明けで大人数の食事を作るというのが本当に嫌だった。何がって、かなり疲れるからだ。


「兵助代わりに作ってよ…」
「俺だって嫌なのだ。ただでさえ勘ちゃんは大食いなのにそんなに作れないよ」

「どうしよう三郎…」
「別に私は一晩ぐらい食わなくても平気だけど…」
「俺も平気だけど、クラスの連中がなんて言うか……」



「………あぁ解った解った、じゃぁ私が代わりにお前らの分作ってやるよ。これでどうだ?」


「「「えぇ!?」」」


私がそういうと、私を囲う五年の連中が箸をテーブルに思いっきり叩きつけるように立ち上がった。


「……なんだ、私の手料理じゃ不服だというのか?」

「い、いやいやいやとんでもない!!」
「名前先輩が、つ、作ってくださるんですか!?」
「名前先輩の手料理ごちそうになっていいんですか!?」
「お願いしてもいいんですか!?」
「む、むしろ大丈夫なんですか!?」

「たかが十何人だろう。それぐらいどうということもないさ。今日は運よくくのいちの方の夕食は私が担当することになっているんだ。少し多めに作っておくぐらいわけないさ」


くのいち長屋の後輩たちに食事を作る。+忍たま長屋の五年に食事を作る。
そう対して変わるような人数ではないだろう。それぐらいでこいつらが不細工な顔をやめて忍務に専念出来るというのなら易いもんだ。

しかし一つ下とはいえ成長季真っ只中の五年生の晩御飯。一度言った発言を撤回することはしないが、こいつらが喜ぶメニューとはいったいなんだ。

とりあえず冷めるぞと箸を進めさせ、食事をすませたのち、食後の茶を飲みながら私はメモと筆を取り出し何が食いたいんだと五人に問うた。


「とりあえず三郎から。お前は今日何が食いたい。」
「私今日は煮魚が食いたい気分です」

「そうか解った。兵助は言わんでも解るから飛ばすぞ」
「えっ」

「八左ヱ門はどうだ?」
「俺は牛丼が食いたいです」

「あ?!あ、あぁ、……そうか…。じゃぁ、雷蔵はどうだ?」
「う、うーん、えっと、僕は……」
「雷蔵さっき久しぶりにおでん食いたいとか言ってなかった?」
「あ、そうだ言った」

「おっ…!?…か、勘右衛門はどうだ…!?」
「餃子が食べたいです!」

「ぎょ……!?」

「でも麻婆豆腐もいいな」
「あぁいいな。あと久しぶりにカツ丼とかもいいね」
「タコ飯とか食いたいな」
「塩焼きもいいなぁ」
「三郎はお魚の気分なんだね」
「おほー、魚もいいなぁ」
「でも八左ヱ門が言う肉系も捨てがたいのだ」



全員分の要望を聞いたところで、私の筆はボキッと折れた。



「なんなんだお前ら!!次から次へと系統バラバラなものリクエストしやがって!!なんの統一感もないってどういうことなんだ!!普通何かしら似るもんじゃねぇのか!!!」


「落ち着いてください名前先輩!!」
「すいませんでした!!」
「考えないで発言してすいません!!」

「こんなに頼りにならんアンケート結果は初めてだ!!さてはお前ら私を悩ませて楽しんでやがるな!?」

「そんなつもりないです!!」
「私たちただ食いたいものを言っただけで…!!」


「あぁ解ってたよこうなることぐらい!!お前らが一つの意見にまとめないことぐらい解ってたよ!!!チクショー!!どうなっても知らんからな!!」


役に立たなくなったメモをぐしゃぐしゃに丸め上げ食堂の窓から全力で投げ捨ててその場に座り込んだ。まさか本当に此処まで統一感のないアンケート結果が出てしまうとは予想以上の出来事だった。クソッ、五年の自由度を甘く見ていた。まさかここまでとは。

とりあえずアンケートが採用されるかされないかは夕飯時の私の体力と心の余裕によるぞと一言つけたし、私はテーブルの上で冷めきってしまっていたお茶を一気に飲み干した。

もう少しでチャイムが鳴る。てことは、こいつらは午後の授業に向かうということだ。



「…"野外実習"なんてバカみたいな嘘言いやがって。本当は、忍務があるんだろう?」



ポソリとつぶやいた言葉に、五年生は湯呑を持つ手に少し力を込めた。



「……内容を聞くのはご法度だ。これ以上の詮索はしない。………だが、今晩お前らの夕飯を作るのはこの私だ。残すことなぞ絶対に許さんぞ。必ず、無事、生きて、帰って、私の飯を全員そろって食え」



頑張れよと隣に座っていた雷蔵の頭をぽんと叩いて、おばちゃんがいる場へ湯呑を運んだ。




「…っ!名前先輩!今晩よろしくお願いいたします!」
「あぁ雷蔵、気を付けてな」

「私も絶対に帰って来ます!」
「頑張れよ勘右衛門」

「名前先輩の手料理楽しみにしてますね」
「味の保証はせんぞ、三郎」

「ちゃーんと起きて待っててくださいね!」
「あぁ。早く帰ってこいよ、八左ヱ門」

「名前先輩、ありがとうございます!」
「その言葉は帰ってきてから言え、兵助」






































「…名前先輩」
「ユキちゃん?」

「あの、わ、私も…」
「大丈夫。片づけぐらい私だけで出来る。あいつらを待つのは私だけで十分だよ。もう遅い。先に休みなさい」

「…先輩方に、宜しくお伝え下さい。お先に失礼いたします」
「うん、ありがとう。お休み」


遅い。日付が変わってから随分時間が立った。…忍務とは、こんなに時間のかかるものだっただろうか。
可愛い後輩を待つぐらいどうということはないと思っていたのに。……時間がこれほどまでに長く感じることなど久しぶりだ。

今日は曇り。月もない。風もない。忍ぶには最高すぎるほどの天気だった。だけど帰りが遅い。…まさか何かあったのか。

もし何かあったのなら、助けに行かなくては。いや、でもそれはあいつらの問題だ。私の仕事は飯を作って、ここであいつらを待つこと。それだけだ。







「名前せんぱーーーい!!!」

「!」







やはり、と立ち上がり食堂から出て行こうとすると、廊下の向こうから待ちわびていた声が。

「名前先輩!無事に戻りました!五年い組尾浜勘右衛門です!」
「無傷で戻りました!同じく久々知兵助です!」
「五年ろ組鉢屋三郎、怪我なく只今帰還しました!」
「同じく不破雷蔵です!お腹減りましたー!」
「同じく竹谷八左ヱ門です!…どっか行こうとしてました?」

「誰もお前たちの心配なんかしていないッッッ!!!!!!!!!!!!!」

「何も言ってない…!!」


怪我ひとつなく、返り血もなく、次から次へと食堂へ青い忍服の後輩たちが入ってきた。良かった。本当に良かった。安心した。無事で何よりだ。



「で、名前先輩!今日のメニューはなんですか!?」
「カレーだ」


結局何を作るべきか悩んだ結果、一番作りやすいカレーをチョイスした。皿を持ってカウンター前に整列させ、全員に特盛でよそってやると、昼と変わらぬ笑顔でみんながテーブルについた。


「名前先輩、あれやってくださいあれ!!」


スプーンを手に持つ後輩たちは、笑顔で私を見上げた。





おかえり、可愛い後輩たち。


























残した奴はぶっ殺す!!














「怖ェ…!!」


「先に言っておくが、昼間にお前ら五人がリクエストしたものが全てぶち込まれている。なにが当たるかはお前たちの運次第だ。私の晩飯を残したやつは容赦なくしゃもじで殴り殺す」


「ハッ…!ち、ちくわが出てきた…!!」
「餃子が中から…!!」
「魚………!?!?!?」
「お、牛肉だ」
「豆腐の原型……!!」








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夏様に捧ぐ

キリ番ヒットおめっとーざーdhdさdsなせwdrftgyふjきおlp!!!!!!!!!!!!!

リクエストにそれておりますでしょうか!?!?!?!?
五年生って好き嫌いなさそうですよね!!!なんでも食べそうですよね!!!!

伊呂波は五年生が食べtうわなにする竹谷やめろ殺すぞ

キリ番リクエストありがとうございました!!!!
これからも「嗚呼、桜か。」を何卒オナシャス!!!!!!!!!


伊呂波

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