キリ番ヒット 邦 様リクエスト
竹谷で現パロ甘ギャグ


































もぞりと身体を動かすと、布団の中に冷たい空気が入り込んできた。思わず体を縮こませて寒さに耐えた。
が、どうしても冷たい風は背中の方から入ってくる。なんでだよ布団にもぐってんだぞこっちは。

仕方がないのでゴロリと寝返りを打って背中に転がっていた抱き枕にしがみついた。あーあったかい。



………あったかい?



っていうかなんで寒いのと思ったら、私裸やん。え、なんで。服は。
そしてゆっくりと目を開き何を抱きしめているのかを確認した。まぶしい。朝ですか。

…え、なにこの立派な腹筋。




「んー……」

「…………」





わぁ凄い。最近の抱き枕って声優つき?

わぁ凄い。最近の抱き枕って本人抱きしめてくれるの?




「んなわけねぇだろッッ!!!!!ギャァァアアアアアアアアーーーーーーーッッッ!!!!!!!!」

「うおおおお!?」



ベッドから逃げるように飛び跳ね一瞬で布団を体に巻きつけて体を隠した。なんで。なんで。えっ、なんでなの。は?なにこれ?どういうこと?なんなの?どういうあれなの!?!?


「なんでハチがここで寝てんの!?」

「痛ッ…!お前なにも突き飛ばすことねぇだろうが!!」

「質問に答えr…イヤァアアアなんで裸なのなんか着てよバカーーーッッ!!!!」

「頭痛ェ……」


ボフッと手元にあるクッションを投げ捨ててハチの顔面に命中させると、ハチは「んがっ」と間抜けな声を出して顔を押さえた。

事の始まりは昨夜まで遡る。昨夜は大学のサークルで飲み会をしていたのだ。かなり遅くまで飲んでいたため終電がなくなってしまった。もともと私は肝臓が強いのかなんなのか酔っぱらうことはまずない。まず雷蔵が潰れ、兵助が潰れた。そしてハチも結構最後まで残ったのだが、残念なことに潰れてしまった。

地元が近い私たちはここまで歩いてきたということもあって、雷蔵は三郎が、兵助は勘ちゃんが、ハチは私が責任を持って連れて帰ることにしたのだ。


「ハチしっかり歩いてよ…」

「おれまだのめるよ」

「どの口がものいってんだよ!臭い!」

「だっておまえらがどんどんこっぷにさけつぐのがいけねぇんじゃねぇかぁ」

「あんたが飲めもしないのにチャンポンしたんでしょう!」


ハチは筋肉質だし身長も高い。さすがに私一人で連れて帰るのは限界があるかもしれないと、同じアパートに住むハチの後輩で私も中のいい孫兵に電話をしたのだが、残念ながら彼女(ジュンコ)といお楽しみタイムだったか寝ていたか、電話には出てくれなかった。多分察知して出なかったんだろう。クソが。


「ハチの部屋ついたよ、鍵何処にしまったの」

「あっち」

「どっちだ!」


こんな調子でべろんべろんに酔っぱらったハチは家の鍵すらまともに提示することすらしなかった。
同じアパートに住んでてよかった。私は階段を上がり、仕方がないのでハチを一晩泊めることにした。クソ、なんで幼馴染の誼みだからってこんなところまで面倒見にゃならんのだ。


「名前、」

「あ?」

「ねむい」

「寝ろボケナス。あ、やだやだベッドで寝ないであんた酒臭いからソファで寝て」

「さむい」

「ふざけんなのたれ死ね」


ハチを部屋に放り投げ、私はとっとと風呂を沸かして風呂に入った。存分にあったまった後部屋へ戻ると、廊下で突っ伏しているハチの姿が。
踏み潰してリビングの方へ向かうと、ガッシリと足を掴まれねむいと一言言い捨てられた。寝ろよ。

寝ればと言えば私の寝室へ入ろうとするので、私はそれを全力で止めた。悪いが私は綺麗好きだ。今猛烈に酒臭いハチをベッドで寝かせてしまうと枕もシーツも洗わなきゃいけなくなる。最悪だ。それだけは避けたい。

本当は獣臭いハチを部屋に入れることすら嫌なのだが、寒空の下で放り出すわけにもいかない。名前ちゃんたらなんて優しいんでしょう。
仕方がないので入れたがベッドで寝させたくないとなると、あぁ、ソファでいいかと判断を下した。私は倒れるハチの首根っこを掴んでソファに投げ捨てた。ソファベッド買っておいてよかったよ本当に。


「寝ろ」

「おやすみ」

「うっせぇとっとと寝ろ」

「名前、」

「あ?」

「おやすみのちゅーは」

「ざけんな死ね」


ぼふっとくっしょんを顔面に投げ捨て、毛布を適当に腹にかけ、私はのんびりと寝室へ戻った。




……戻ったのだ。一人で。

ハチはリビングに投げ捨ててきた。

一人でベッドに入ったんだ。



なのに、なんで今ここにこいつがいる!!!!



「あんた昨日ソファで寝たんでしょ!?」

「…そうだっけ」

「なんで私のベッドで寝てんの!!!」

「……」


滑稽だ。ひどく滑稽だ。パン一で私のベットの上で胡坐をかくハチと、それから逃げるように毛布を体に巻きつけ目の前の男を睨みつける私。
これじゃまるで昨夜いろいろあったようじゃないか。いやいやいやないないない。ハチとヤるとかまじないない。いや、ないでしょ、ないない。私は昨日寝た。パジャマ着て寝た。その証拠に今床に私のパジャマ散らかってるもん。なんでか解んないけど脱ぎ捨ててあるもん。私こんな汚い脱ぎ方しないし。絶対に脱がされたよねこの男に。


「あぁ、確か、毛布一枚じゃ寒かったからもう一枚くれーって名前の部屋に来たんだよ」

「で!?」

「で……もうソファ戻るの面倒だから…」

「それでなんで私の服を脱がしたの!?」

「人肌恋しかったんだろ?」

「言い訳になってねぇよ死ね!!」

「イデッ!!!」


目覚まし時計を掴みハチの顔面に投げつけた。クリティカルヒット。
ハチといえばヤりチンで有名だ。彼女が出来ればヤッては捨てる。いやむしろ彼女じゃないのかもしれない。あの子たちはただのセフレかもしれない。なんというか最悪な幼馴染を持ってしまったと私はここ何年も非常に後悔していた。ご近所だからって仲良くしなければよかったと何度思ったことか。

しかし今私は腰が痛くないし、昨夜の記憶はしっかりある。ってことは、ギリギリ犯されてはいないってことだ。私の貞操は守られているはず。


「お前なぁ!」

「うるさい!!とっとと服を着て部屋から出ていけ!!」

「ちょっとは優しくしてくれよ!!」

「二日酔いは口を開くな!!臭ェんだよ!!」

「痛ェッ!!」


充電済みのケータイを掴みハチの顔面に投げつけた。クリティカルヒット2。


「別にいいじゃねぇか減るもんじゃねぇんだし!」

「私の中の何かが確実に減ったわ!!」

「んな体してヤらしてもくれねぇくせに!!!」

「うっせバーーーカ!!てめぇなんかのために磨いてる身体じゃねぇんだよ!!」

「てめぇ犯すぞ!!」

「ギャァァアアーーーッッ!!」


酒が入れば甘えんぼなハチだが素面の時のハチはそれはそれはクソ生意気で面倒くさいのだ。口を開けばヤらせろだのなんだの。私はお前の彼女じゃなければセフレじゃない死ね。

ぼふんぼふんとクッションを何度もハチに叩きつけていたが、その腕を掴まれグイと引き寄せられた。そしてついにベッドに逆戻りし、押し倒されるような形になってしまった。形勢逆転だと口角を上げたハチにゾッとしたのだが、此処で負ける名前ちゃんではない。誰がテメェの処女をヤリチンなんかに捧げるもんか。

押さえつけられた肩から下を必死に動かし、投げ捨て転がってたケータイを引っ掴み着信履歴を開いてヒーローに助けを求めた。


「もしもし雷蔵さんですかおはようございます!!名前ちゃんが貞操の危機ですタスケテー!!」

「おい!?」

『八左ヱ門殺す』

「アッー!!嘘だよもしもし雷蔵嘘だからな!?」

『殺す!』

「助けて雷蔵割とまじで犯される!!」

『殺す!!』

「落ちつけって雷蔵!!名前も電話切れよ!!」

『殺s  ブチッ



ハチの手によって強制的に切られた電話は、ハチの手によってはるか遠くへ投げ捨てられた。アッーー!!通信手段が!!!
壁に当たって床に転がってケータイがブブブとバイブを鳴らしていた…。嗚呼、きっと雷蔵様だ…。


「諦めろ名前」

「死ね!!離れろヤリチン野郎!」

「酔っぱらってたとはいえなんておいしいところで止めたんだ昨夜の俺!!」

「死ねーーー!!うっとりするなモジャンボ!!!い"っ!?」


ガブリと首筋に噛みつかれ、突然の痛みに私はギュッと目を瞑ってしまった。痛いなにしてんのこいつ!吸血鬼か!

……あ!違うこれキスマークつけてやがる!吸ってやがる!死ね!死ね!殺す!


「やめてってば…っ!ハ、チ!」

「お、感じてる?」

「…っ!死ねッッ!!」

「痛ーーーッ!!」



膝を勢いよく持ち上げると、丁度その膝はハチの股間へダイレクトにヒットした。うわぁぁぁあ変な感触が膝にァァァアアーーーーーッッ!!
あろうことかハチはそのまま私の上で股間を押さえて倒れこんでしまった。うわ失敗した逃げられない。死ぬ。


「名前…っ!!」

「ハチが悪いんでしょうがぁああ!!」

「もう許さん犯す!!」

「たっけてーーー!!!」












「そこまでですヤリチン先輩、殺しますよ」











両腕を押さえ込まれもはやなすすべ無か、と思われたその時、隣の部屋に住むがこの場には予想外のヒーローが刀を構えてやってきた。
ギラリと光るその模造刀は以前何処かの骨董屋で見つけて気に入ったので部屋に飾っているだけだと言っていたものだ。あ、孫兵さんそれ振り回すのアウトです。


「休日の朝っぱらから女を犯すことしか考えてないのですか竹谷単細胞先輩」

「ま、ご、兵……」

「ジュンコが起きたらどうするんです。彼女はまだ起きるには早い時間帯です」

「お、落ち着け孫兵…」


「おい孫兵なんでお前私の部屋入れるんだ」

「残念ながら僕は不破先輩の時間稼ぎに過ぎませんが、それ以上ことを進めるのであればその耳切り落とします」

「解ったから落ち着け孫兵!!」


「おい孫兵なんで私の部屋n」

「もう大丈夫ですよ名前先輩」


「どうやって私の部屋の鍵をあk」

「すぐ不破先輩来ますからね」

「聞けよ孫兵なんで私のへy」


すると、私の必死の発言を遮るようにドドドドドドドと外の階段をかけあげる音が聞こえ、その直後バンッと部屋の扉が開かれる音が部屋の中に響き渡った。



「名前大丈夫!?」

「なんで雷蔵さんも私の家に入って来れたんです?鍵は?」


「ハチ殺す!!」

「ぐはああっぁあ落ち着けって雷蔵俺はまだ何も…!!」

「おい雷蔵なんで家n」


「まだってナニ?ヤるつもりだったんでしょ?え?」

「苦しい…っ!!」

「雷蔵さん家にはどうやっt」


「名前先輩僕の部屋で朝食にしませんか」

「別にいいけどどうやって私の部屋n」

「ジュンコはまだ寝てるの安心してください」




今朝私が学んだこと。

@ハチは二度と私の家に入れない
Aハチには二度と近寄らない
B孫兵は信じない
C雷蔵と結婚する
D家の鍵を全て買い替える
E幼馴染なんていなかった



……………とりあえず孫兵の家で朝ごはんしよう。

ハチの始末は雷蔵様に任せよう。
























幼馴染なんていなかった

あとみんなストーカー予備軍だってことも理解した








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邦 様に捧ぐ

666666ヒットおめでとうございましたーーーー!!!!
リクエストにそれてますか!?!?!?大丈夫ですか!?!?!?!?あれ!?!?!?全然甘くない!?!?!?あれ!?!?!?!?!?!

竹谷の扱いが酷いって!?!?いやいや!!彼はこんな感じでいいんです!!!!


でもぶっちゃけ

名前 →|ATフィールド|←←←←← 竹谷

ぐらいの両想いでいいと思ってます!!!!竹谷さん最低やわ〜〜〜〜〜!!


キリ番ヒットリクエストありがとうございました!
これからも是非「嗚呼、桜か。」をよろしくお願いいたします!!



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