キリ番hit 時計屋 様
「どのキャラでもいいので魔法パロの続き〜





























「三之助ー!!何処にいきやがったぁああ!!」
「左門ー!左門ー!!次の授業始まっちゃうよー!!」


切れた縄を持ってダッシュで走りながら、上の階へと通じる動く階段に向かって叫ぶ。

方向音痴バカ二人がいなくなりやがった。ちょっと目を放している隙に俺と孫兵の側から離れで何処かへ行きやがった!
あんちくしょうども今日こそとっちめてボッコボコにしてやらぁ!

なんでいなくなる!なんでじっとしていられねぇ!なんで方向音痴治らねぇんだよ!!!
なんで同じ寮のよしみだからって俺と孫兵が毎日毎日毎日毎日毎日こんなに苦労しねぇといけねぇんだよォオオオ!!!

も、もし二人で学園内で迷子になって、外に出ちまってて、ほ、ホグズミードまで行っちまってたら………!!ああああ尼崎横丁まで戻っていやがったらどうしよう!!
あ、あ、ああ、暗黒の森に入っていっちまってたらどどどどうしよう!ヒィ!!あそこにゃ狼男がいるって噂だぜ!じょ、冗談じゃねぇ!あんなとこに行ってたら……!
い、いくら体力バカな三之助と左門でも狼男にペロッと食われちまう!助けになんていったら今度は孫兵と俺らが食われちまう!

そそそそれだけは避けねぇと!何が何でも見つけてやらぁあ!!


「あ!なぁおい平太!三之助見なかったか!?」
「孫次郎!こっちに左門来なかった!?」

「ヒィッ!…み、見ておりません……」
「僕ら…向こうから来ましたけど…神崎先輩も次屋先輩も見ておりませんね…」
「僕たち次の授業ないんで……お手伝いしましょうか…?」

「すまねぇ平太、孫次郎!!三之助と左門見つけたら三号温室に連れてきてくれねぇか!!」

「「解りましたぁ…」」




「三之助くんと左門くんなら今大広間前に居るよ」




声のする方向へと顔を向けると、平太と孫次郎の後ろに居たのは寮の先輩である苗字名前先輩だった。
やぁと手を上げると、そのまま平太と孫次郎の頭に手を置いてわしわしと撫でた。

名前先輩こんにちはと一年二人が頭を下げると、はいこんにちはと名前先輩も同じように頭を下げた。


「名前先輩!ありがとうございます!」

行こうと孫兵に声をかけ身体を翻して、大広間へ向かおうとしたのだが、


「待って。作兵衛くんは残って」
「え、」

名前先輩は僕の腕を掴んで走り出すのを止めた。


「孫兵くん、二人を捕まえて先に授業に行ってて。ちょっと作兵衛くんに話があるんだ」
「わ、解りました!じゃぁ作兵衛後でね!」
「お、おう…」

「じゃぁね平太くん、孫次郎くん」
「はいぃぃ…失礼しますぅ…」
「名前先輩…今夜僕らと一緒に晩御飯食べましょう…?」

「うおお可愛い!もちろんいいとも!じゃぁ今夜大広間で一緒に食べようね!」


名前先輩がヒラヒラと手を振ると、一年二人は廊下の奥へと。孫兵はそのまま大広間の方向へと走り出した。

走り出す孫兵の背中を眼で追う。動く階段をダッシュで駆け上がり、孫兵の姿はすぐに見えなくなった。

おいで、と俺の手をひく名前先輩は、そのまま孫兵とは反対方向の階段へと足を進めた。何も言わずに俺の手を引いて、歩くこと暫く。


到着したのは今は使われていないらしい三階の女子トイレだった。

つーか……さっきから、何も喋れてねぇ……!!も、ももももしかして名前先輩怒っておられるのか!?
な、何か名前先輩を怒らせるようなことをしちまったんだろうか!こ、ここで怒られるのか!


「よぉ名前!」
「お、作兵衛も見つかったか」
「やぁ小平太、留三郎。連れてきたよ」

「ヒィ!」


なななな七松先輩と食満先輩までいらっしゃる!!ヤベェ!!俺の人生は此処までなのか!!
もしかして先日のクイディッチで俺のプレーに何か悪い点があったのだろうか七松先輩の気を悪くしちまったんだろうかそして食満先輩は委員会のことでもしかして俺に苛立ちを覚えていたのだろうかうわああああああ!!!


「……あれ、作兵衛くん何か…怖がってる?」
「…へ?」
「あ、いじめでもするかと思った?違う違う!」


アハハと笑って俺を手を引いて、名前先輩と七松先輩は女子トイレの一番奥の部屋へと入った。


「留三郎ー!見張り宜しく!」
「おう、任せとけ」


食満先輩はトイレの個室には入らず、手洗い台に腰掛けてこっちに手を振った。


「私と小平太と留三郎から、君にプレゼントだよ」

はい、と名前先輩に差し出されたのは、何の変哲も無い、ちょっと大きな羊皮紙だった。


「……えっと」

…プレゼント、と言われたら嬉しいのだが、も、物が物だけに、反応、しずらい。


「なっはっはっ!ただのボロ紙に見えるだろう!」
「そりゃぁ何もしなければね」

「何も、しなければ?」


「よーし小平太、始めようか」
「おう!」

名前先輩と七松先輩は杖を取り出し羊皮紙を叩くと





『我ここに誓う』

『我、良からぬことを企む者なり』




と唱えた。

最初は何を言っているのか解らなかったのだが、その呪文を唱えた瞬間、羊皮紙に見る見る何かが浮かび上がってきた。


「…な、なんですかこれ」

「重宝したんだよー。長次にも伊作にも仙蔵にも文次郎にも先生にも見つからないように授業サボるための必需品だったんだから」
「私と名前と留三郎の大傑作だ!」

「作兵衛こそこれが必要でしょ。小平太と留三郎と話し合って」
「お前に譲ることに決めたんだ!」



「……"苗字名前 七松小平太 食満留三郎 の超自信作 忍びの地図"……忍びの地図…?」



「そう、ここに書いてあるのは『大川魔法魔術学園の全体図』と」
「『全生徒の今居る居場所を記す』地図だ」

「えぇ!?」


さっきまでただの羊皮紙だった紙を見る。真ん中には【大川魔法魔術学園】と書かれており、俺はバサリと音を立てて紙を広げた。思ったよりデカい。そして、本当に学園全体の図が細かく書いてある。
なんだこれ、凄い。

ここが呂組寮か。………隻眼の魔女?の像に隠し通路!?女子トイレの下に秘密の部屋!?う、嘘だろ!?


「三年此処にいても知らない道もあるでしょう?」
「六年間この学年内でサボリまくっていた私たちは全部網羅しているぞ!」
「主に留三郎が見つけた部屋ばっかりだけどね」
「先生たちですら把握しきれていない場所まで描いてあるからな!」

「こんなもん見つかったら私たち退学もんだけどね」
「最初のうちは隠すのにも一苦労したなー!」


はははと呑気に笑いあう。一方俺は、凄すぎて言葉がなかなか口から出てこない。
それから、気になる物がもう一つある。……何かが動いている。あっちこっちで地図の上を何かが動き回っている。


「それから、この地図はただ学園内を書き記しているだけではない!
「何処に誰が居るのか、この地図を見れば一目でわかる!」


足跡だ。良く見ると動いているのは足跡だった。全ての足跡が本当に人が歩いているようにあっちこっちで動き回っている。
そして足跡の横を、色んな名前が付いていっている。こっちは"平滝夜叉丸"と"綾部喜八郎"と書いてある足跡が並んで歩いている。こっちには"川西左近"と"能勢久作"と書いてある足跡が歩いている。


なんだ、これ。

……なんだこれ!?!?


「ほらここ、"伊賀崎孫兵"が"神崎左門"と"次屋三之助"を連れて歩いている足跡が三号温室方向へと向かっている。無事捕獲したんだろうね」
「"大川平次渦正"はいつも学園長室で"ヘムヘム"と将棋を打っている。だから足跡は動かない!」

「ね、これさえあればあの二人を探す作業が楽になるでしょう?」


信じられない。これをこの先輩方だけで作ったと言うのだろうか。凄すぎる。


「こ、こんなすげぇもん……ど、どうやって…!?」

「学園の見取り図は留三郎が全て調べて引いて」
「全生徒の情報を名前が入れて!」
「小平太が呪文を考えてこの地図は出来上がったんだよ」
「お前と伊賀崎で使え!」


つい圧倒され、ポカンとして先輩方の顔を見上げてしまった。


…敵わない。先輩方には、全く敵わない敵わない。
いつか追いつきたいとか、先輩方のようにいつかなりたいとか、そういう思いを持っていた。でもそう思うのすらおこがましい。恥ずかしくなる。凄い。凄すぎる。

大川に入学してから三年立った。三年もたったのに、俺の先輩たちがこんなに凄いものを作る人たちだったというのをまだ知らなかった。
先輩方は【大川始まって以来の天才学年】と言われてはいたが、こんなものまで作ってしまうだなんて思いもしなかった。

本当に、本当に、これを、俺なんかが貰っていいのだろうか。


名前先輩が授与式終わり!とトイレの鍵を開けて、食満先輩の方へと走っていった。追いかけるように七松先輩が俺の手を引いて、わしわしと俺の頭を撫でながら食満先輩の方へと歩いていった。


「せ、先輩方!」

「んー?」
「こ、こんなすげぇもん、ほ、本当に……お、俺なんかが貰っちまって……!」

「心配すんな作兵衛」


食満先輩は袖に手を突っ込み


「予備がある」


立花先輩の真似をして、同じような羊皮紙を取り出す。
それを見た名前先輩と七松先輩が笑いながら「仙蔵に似過ぎ」と手を叩いて笑っていた。


「いいか作兵衛、これは俺たちと、お前と、伊賀崎だけの秘密にしておくんだぞ」
「は、はい!」

「それから言い忘れていたが、使い終わったら地図を叩いてこう言うんだ」


三人の先輩が笑いながらクルリと杖を回して、声を合わせてこう言った。

















イタズラ完了!

じゃないと誰かに見られちまうからな






















「はい!ほ、本当にありがとうございます!!!」

「おう、気ぃつけてな」


「じゃぁね作兵衛くん。よし屋上で昼寝しに行こう!!!」

「よーし!いけいけどんどんで屋上へ行こう!」

「待て待て、そっちから日向先生来るぞ!!右から行け右から!!」





…やべぇ

やべぇ、やべぇ、やべぇ!!!先輩方かっこよすぎる!!!!!!















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ぼおおおおお時計屋様へ捧ぐ!!!!!!
記念すべき50000hitおめでとうございます!!!!!!!
遅くなっちゃってサーセンした!!!!!!!!!

魔法シリーズ誰も書いてないんですか!?!?!?!?なんでこんなに人気なんですか!?!?!?!?
何番煎じだとハラハラしていたのですがね!?!?!?!?!?

誰でも良いというので愛してやまない作兵衛ちゃんで書かせていただきましたペロロロロロ!!!!!

実は忍びの地図は


小平太「事務の小松田さんの部屋から失敬しました」
名前「盗まれてんのに気付かないで早六年たちました」
留三郎「それを俺が複製したのがこちらになります」


という設定で行こう!!と思ったのですが、

多分こいつらならこんなもんぐらいすぐに作っちゃうと思います!!!!
でも仙蔵も文次郎も伊作も長次も、もちろん先生方も誰もこの地図の存在を知りません!!!!!

絶対にサボれるコツはここにあるのです!!!!!!!!!

\スバラシイ!/\ステキー!/


楽しいリクエストありがとうございました!!!!!

伊呂波

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