「善法寺伊作先輩」

「名前ちゃん?どうしたの?」





一個下のくのいち教室の、名前ちゃんだ。


珍しい。名前ちゃんが保健室に来るだなんて


怪我なんて滅多にしないのに。何かあったのだろうか。


僕は薬を作るのをやめて、名前ちゃんの方へ歩み寄った。






「体調が悪いんです」






これもまた珍しい。名前ちゃんが体調を崩すだなんて。





「どんな症状が出るの?」





新野先生がいないけど、僕は保健委員会委員長だ。

ここまで来たのなら一応聞いておく必要はあるよね。







「なんていうか、胸がキューッてなるんです」


「うん」


「苦しくて、切ない感じがするんです」


「……いつ、そんな症状が出るの?」


「伊作先輩を見てると、ですかね」


「…へぇ」


「伊作先輩、これなんでしょうか」


「それは…間違いなく病気だね」


「え、本当ですか」


「うん、それも重症だね」


「どうしましょう。ここで死ぬのはヤです」


「残念だな。非常に残念だよ」


「ちなみに病名は?」










「…"恋"ってヤツ、かな?」










「恋、ですか」


「うん。ご愁傷様」


「…伊作先輩、」


「なぁに?」


「この症状をおさめさせるにはどうすればいいですか?」


「そうだな…一番の解決策は…」


「なんでしょう?」


「うーん、難しいよ?」


「言ってください」





「……あのね、























僕に好きだと言ってごらん

僕の眼を見て心を込めて

























そしたら、スッキリすると思うよ」

「本当ですか?」

「うん」

「伊作先輩」

「ん?」

「大好きです」

「知ってるよ」

「…ん?」

「僕も名前ちゃんが好きだからね」

「あれ?」
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