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▼ Mission5:暴君の暴走を制御せよ

竹谷銀髪左ヱ門先輩からいただいた上履きはやはり少々大きめのサイズで、たまにがぽっと脱げてしまうことがある。25で小さいんだ…。あの人正しいサイズなんだったんだろ…。っていうか私も24だからかなりデカいほうだと思ってたのに。上には上がいるもんだなぁ。やっぱり男性だしそれが普通か…。それにしても竹谷先輩には何かお礼をしなければならない。気にするなと言われたし代わりにと虫の死骸を撤去してもらったけど、そんなの代わりになるもんか。気にするなと言われても気にする。蛇の餌なんて絶対嘘だ。あの先輩は不良だけど優しい人。俺はせねば。うわああああだけど「いいっつってんだろ死ね」って刺されたらどうしようあの人あの尾浜先輩とも仲良いみたいだしうちのクラスのビッチの二の舞になっちゃうかも…。いやいや…そんあことあるわけ………ないと…いいきれないのが怖い……。

まぁとにかく今日は上履き事件以外何もなくてよかった。そういえば七松先輩ともお逢いしてないし、平和な一日だった…。もういいのよこんな平和な生活で。私に刺激なんて必要ない。これでいいの。これ以上は何も望まない。

「おい」
「はいッッッッ!!!!!!!!!!!!」

望まないっていったばっかじゃないですかやだー!!なんで七松先輩ここにいるんですかー!!

「ほら、これ落ちたぞ」
「ア、ス、スウウススイマ………!?な、七松、先輩…!?」

「どうだ!似合うか?」

いつの間にか脱げていた右足の上履きを拾ってくれたのはハバネロさんで、七松先輩。いやそれはべつにいい。私が驚いているのは、七松先輩の髪の毛だ。

「染めてみた!っていうか、留三郎が染めてくれたんだ!それで今日は留三郎も私も五限から参加でな」
「く、…?!」
「地毛は黒なんだがなー、こんなに真っ黒も久しぶりだ!どうだ?」
「ど、どうって……!!」

階段を二つ降りて、私と同じ場所にたった七松先輩の髪の毛の色は、昨日とは全く違う、真っ黒。昨日まで明るい茶色だったのに、真っ黒だ。っていうか、それだけじゃない。茶髪の周りで光ってたピアスが、一個もついてない。これは一体どういう事だ。脱不良?まさか、暴君七松小平太体育委員長がそんなこと急にするわけがない。っていうかなんでこんな急に…!


「これでどうだ?私怖くないか?」


その一言で私は昨日七松先輩は言い放った暴言を思い出した。私の何が苦手だと聞かれて、髪色、ピアス、喧嘩と答えた。まさか七松先輩はそれを真に受けて、本当に髪色を染めてピアスを外してきたというのか。そんな、だって、髪の毛痛んじゃうし、ぴ、ピアスだってつけとかないと…あ、穴塞がっちゃうんじゃ…。

「……わ、私の、た、ため、」
「だって日和は昨日までの私怖かったんだろう?苦手と言われては、直すしかないだろう」

「こ、困りま、す!そん、わ、私…!!」

「うん?なんで八左ヱ門の上履き履いてんだ?」
「あうきgsふぃやsfjcなふいおfそれには深いわけが!!!!!!」

七松先輩がふと手にある私の上履きを見て、書いてある名前に驚き眉間に皺を寄せた。一瞬ザワリと身体を覆った七松先輩の不穏なるオーラを感じとり、あ、このままじゃ竹谷先輩殺されるかもしれないと思った私は、お恥ずかしながらと今朝あったいじめ(仮)のことを説明した。偶然竹谷先輩が拾ってくださって使っていない上履きを譲ってくださったんです、と。七松先輩はその説明に納得してくれそうかと私に上履きを渡してはくれたのだが、犯人は誰だと再び殺気を纏った。

「女か?男か?」
「あだbdがhさあああさsはははっはは犯人は、おおおおお尾浜テンパイが…!その…!」
「何?勘右衛門が?ふぅん、珍しいこともあったもんだな」
「ヒ、ヒィイイイ…!」

「あいつら確かまだ教室にいたな!よし!礼を言わねばな!じゃぁな日和!明日はゲームやろうな!」

「シャッス!!!!!!!!!」

緊迫状態から解放された私は再び階段を駆け上がっていく七松先輩に光の速度で腰を90度に折り曲げ頭を下げた。七松先輩は階段をのぼりながらばいばいと私に手を振り、姿を消した。竹谷先輩と尾浜先輩の運命やいかに。私には関係ないとはいえない。私を庇ってくださってこんなのことに…!骨ぐらいは拾わせていただきます…!!!

もう少しで下駄箱だが、私は一応上履きに足を突っ込んだ。

っていうか、何故七松先輩は私の一言だけで髪を染めるようなまねをされてしまっただのだろうか。茶髪は茶髪で需要があっただろうに。私にはないけど。たかがこんなブスオタメガネに苦手と言われたぐらいで容姿をガラリとかえてしまうほど、七松先輩は豆腐メンタルだったとでもいうのか。今更。いやいやいやいや、天地がひっくり返ってもそれはあり得ない。七松先輩なんかキモいと言われたら人一人殺しかねん人だろうし。むしろあそこまで暴言はいて殺されてなかった私がまだ生きているという奇跡。なんだって私はこんなに七松先輩に気に入られてしまっているのか。そりゃぁ同じゲームやってるという同士だからっていうのもあるだろうけど、別に苦手と言われたから髪色変えるって、そんなディープな仲じゃないだろうに。絆創膏を渡したぐらいで、付き合おうだなんて、頭おかしいんとちゃいますか。

時刻より五分ほど遅れてバスが到着して、私は定期を取り出し乗車した。いつもの場所に座りゲームを起動させながら道路を眺めていると、恐ろしいスピードでバイク下校する七松先輩を見つけた。一度バス停前で止まって誰かを探すように顔を動かしてはいたが、乗車していた私を目が合うと、嬉しそうに手を振って、そしてまた走り去っていった。す、すげぇ。やっぱり大川の委員会委員長って内申が凄い上がるとか聞いたことあるし、学校からの待遇もめっちゃいいって聞いたけど、まさかバイク通学まで許可されるのか。七松先輩かっこよすぎワロタ。

バスから降りて電車に乗ろうとしたその時、私はふと今日発売の本を買い忘れていることに気が付いた。駅前の本屋さんのポイントカードを使うため、新刊などが出る時はいつもここを利用させてもらう。


……正直七松先輩はかっこいい。黒髪にときめいたとか死んでも言えない。ほんとに、あの先輩と同じゲームやって、しかもボッコボコにして勝利してるとか、奇跡だ。なんであんなみんなの人気者に絡まれているのか不思議でしかたない。私の人生はこんな少女漫画の様な展開が起きるはずではなかったのに。あの日あの時間あの場所であのゲームをやってなかったら私は七松先輩なんて凄い人と関わることなんてなかったのに。い、いじめられることもなかったのに。そう考えると中々面白い経験をしているんだなぁと、なんだか笑みがこぼれた。教室でぼっち、でも最高学年のVIPと関わりがある。こんなおかしな事が普通にあってたまるか。

すっかり立ち読みに夢中になってしまって、外はいつの間にか日は落ちていた。ケータイには母親から「晩御飯は?」なんてメールが入っていたし、表示されていた時刻にも驚いた。まずい、早く帰らねば。目当ての本と立ち読みして気に入った本をレジに持っていき会計を済ませ、足早に店を出た。だが駅に向かう最中、


「おい小平太」


dたうsでぃあhsづいあdskんfvbhsjんmk、l!!!!!!聞きたくない名前がいま耳に届いた!!!!

「おう南の」
「お前彼女出来たってまじか?」
「あ?そんなんいないぞ?」
「嘘つけ、てめぇんとこの一年から聞いたぞ。お前がバカみてえに一人の女にくっついてるって」

見たことのない制服の人と、あれは確実に七松先輩。っていうか、聞こえている声は七松先輩の声だ。私が七松先輩の声を聞き間違えるわけがない。だってトラウマレベルに耳に刻み込まれているもの!不良宜しく七松先輩が囲まれているのは建物の影。っていうか七松先輩話聞いてんのかな。なんでこの状況でケータイいじってんだろ。そ、それにしても!ご、五対一なんて卑怯ですことよ!喧嘩なら正々堂々と一体一でやるべきもんでは…!
買った本を握りしめ物陰からそっちを見つめていると、他校の方は七松先輩を見て、「はぁ?」と汚い声を漏らした。

「何だお前その頭!真っ黒じゃねぇか!」
「似合うだろ?」

「ピアスもつけてねぇ、どうしちまったんだぁ暴君さんよぉ」
「そんなのお前らに言われる筋合いないぞ」

「暴君と言われたテメェががこのザマか?ふざけてんじゃねぇぞ!」

今気付いた。不良さんがた、なんか持ってる。鉄パイプ的ななんかそういうあれ!物騒!やだ!七松先輩やられちゃう!私どうすればいの!警察に通報すればいいの!いやいやしたら七松先輩までお縄になること間違いなし!どうしよう!七松先輩!わ、私のなんかのために髪そめたりすっから…!茶髪でいればいいものを…!不良さんの言葉に臆するどころか興味なさそうに話を聞いている七松先輩は相も変わらずケータイから目をそらさない。この感じからするとあの不良さん方は七松先輩にボコボコにされた過去ありと見た。それなのに女の尻おっかけているという噂のある七松先輩はあろうことか髪を染めたりピアスを外したり…。そ、そりゃ悔しくて奇襲かけたくもなりますわな!

「立てよ、腕までなまったとか言うんじゃねぇだろうな」

「駄目だ、私もう喧嘩やめたから」
「なっ!?お前、ふざけんのもいい加減にしろ!」

………私この流れ知ってる!女の子が「喧嘩なんかしちゃだめだよ!」って言ったもんだからライバルになにされても無抵抗でボコボコにされちゃうっていうあの少女漫画のお涙ちょうだいシーンだ!ってことはここ非常に不味い場面なんじゃないですかねぇねぇ!!このままじゃ七松先輩ボコボコにされちゃうんじゃないんですか!!わ、私七松先輩が喧嘩するの物騒だから嫌だけど、ボコボコにされるの見るのなんてもっとやだ!

「ブス女追っかけまわして落ちるとこまて落ちたってか!ふざけんなよ!」

鉄パイプ的な何かが七松先輩目がけて振り上げられて、あぁ、もうだめだと私は恐怖故に涙が貯まった目をギュッと瞑った。






瞑ったのだが、







「お前今なんて言った!!」

「ぐっ…!」


「日和のことを何と言った!!」

「がっ!」


「もう一回言ってみろ!あぁ!?日和の事なんて言った!!」

「ぐっ、!あ"っ…!」






えぇぇええええええええええええええええーーーーーーーーーー!?!?!?!??!?!私が思ってたんと違うーーーーー!!!!!七松先輩容赦なくボッコボコにしてるーーーー!?!?!??!?

バキッガキッドコッとアニメでしか聞いたことのない効果音が次から次へと耳に飛び込んでくる。その間にも「もう一回言ってみろ!」とか「私の目を見て言ってみろ!」とか、恐ろしいほどの狂暴な声が飛び交って殴るけるなどの暴行を容赦なく繰り出している。「テメェ!」と不良さんが反撃するも、「やかましい!」の一言で周りにいた取り巻きさん方も壁に打ち付けられ、いつの間にか鉄パイプ的な何かは五本とも全て七松先輩の手に。うち四本はベッコベコに変形しており、唯一原型をとどめている一本を七松先輩は指名手配されていてもおかしくないほどの凶悪な笑みで力いっぱい握った。け、形勢逆転!?嘘でしょ!?喧嘩しないとか言ってたじゃん!私のために髪染めてピアス外したんじゃん!け、喧嘩は!?やめるんじゃなかったの!?


「おいもう一回言ってみろ。日和がなんだって?」
「ひ、も、もう…!」

「私の目をみて言ってみろ!!」

「がっ、は…!」


さっきまで不良さん方が持っていた鉄パイプこれにて全て死亡。よろよろと壁に寄りかかった不良さんも、おそらく死亡。えぇぇえええらいこっちゃ。とんでもないところを見てしまった。修羅の顔から人の顔と戻り、七松先輩は誰か待っておられるのだろうか。此処から動こうとしないなんて。だけど、そう思っていたのが、さっきまで倒れてた不良さんが一人起き上がって、ベコベコに変形した鉄パイプ的な何かを手にした。それなのに七松先輩は気付いてないのかケータイから目をそらさない。時折うーんと悩んでは再びケータイに目を向けている。バヤイじゃない!!な、七松先輩が!!


「っ、い"ってぇ!!?」

「!」



「mななななんんなんあああだだddsj七松先輩に手を出したらあふsdgひhだsjdkぉぉ!!!!!!」



ダバダバと涙を流して、震える手で、とっさに私は、購入した本を不良さんに投げつけてしまった。不良さんの声にびっくりして七松先輩はこっちを振り向いたが、なんでお前がこんなところにいるんだと言いたそうな顔で、ポカンと口をあけてしまった。

「くっ、そ…!テメェ殺すぞ!!」
「ああああああああああああああああああああ!!」

「お前日和今になんて言った!殺すと言ったか!先にお前を殺すぞ!!」
「ぎゃあああああああ!!」
「ああああああああああああああああああああ!!」

ただひたすらああああと叫ぶことしかできない私の情けなさったらない。しゃがみ込んで耳をふさいでいる私の頭上を五体の人間が吹っ飛んで行ったことなど見なかった。私は何も見てない。裏路地でよかったとか思ってない。今私は何もしてない。何も見てない。あういjhdしおうjvんdmskか。


「おい日和!お前なんでこんなところにいるんだ!」
「な゛な゛ま゛つ゛せ゛ん゛ぱ゛い゛」

「あ、お、えっと、えー、あ、!な、泣き止んでくれ!ど、どうした!どっか痛いか!?やられたのか!?」
「ん゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛!!」


私今まで人を傷つける(物理)ことなんて一度としてなかった。今日買った新刊はかなり分厚い本。あの本の角をぶつけてしまった。出血間違いなしだ。嗚呼神様どうか我をお許しください。先輩を助ける為だったんです。
のそりと背後で起き上がった不良さん方の気配。ひいいと肩をすくめていたのだが、七松先輩は

「こいつは本気出すと私より強いぞ!私一度も勝ったことないからな!それが嫌ならとっとと私の前から消えろ!二度と来るな!」

そう言い放った。まさか女がと言いたそうな顔だったが、今それを信じねば確実に命が絶たれることになると悟ったのか、不良さん方は蜘蛛の子を散らすように何処かへ走り去っていってしまった。

「私、嘘は言ってないぞ」
「ゲームの話じゃないですか…!」
「でもお前は私よりも強い!事実を述べただけだ!」
「あの人たち来ちゃったらどうするんですか…!」

「大丈夫だ!私が守ってやるから!!」

すっかり腰が抜けてしまって、立てずにいるところに、七松先輩は私が投げつけた本を拾ってきてくださった。な、情けない。自分で投げた物を自分で回収できないだなんて…。よしよしと私の頭を撫でてくださる七松先輩が、しょんぼりした顔になってしまった理由は、もちろん

「……やっぱり、怖かったか?」

これだ。物騒だと言った喧嘩を目の前で見てしまっただから。涙止まらず体も震えっぱなしの私はゆっくりとだが頷いてしまった。怖かった。めっちゃ怖かった。あんなのみて怖くないと言える神経が解らない。

「で、でもな。これでも一応押さえていたつもりだったんだ。帰り道にあいつらとはまた、別の奴に声かけられたけど、無視したし!その、あ、あいつらも無視しようと思ったんだが…、日和の、悪口を言われては……だ、黙っているわけにもいかなかったから……」

何言ってもいいわけだな、と七松先輩は私の頭から手を離した。

「……お前にメールしようと思って、それで最後の奴に気付かなかったんだ。助けてくれてありがとうな」

私にメール。そういえば連絡先を交換したんだった。ポケットの中に入っていたケータイに手を伸ばし画面をつけると、新着メールが一件はいっていた。中身はただ一言、『明日の昼休みにゲーム一緒にやろう』というだけのもの。こんなたった一文に集中していたとでもいうのか。

「メールに緊張したの、ひ、久しぶりでな!な、なんと誘えば日和はOK出してくれるか…その、迷ってたら、結局その一文だけになってしまって…」

たかがゲームのお誘い。それももまったく私には勝てない内容のものなのに。それを誘うだけなのに、緊張しただなんて。

「……わ、私は、やっぱり日和とゲーム一緒にやりたいんだ。その、苦手に、ならないでほしくて…。き、嫌いに、なんか、ならないでくれ…!」

たかがゲームのつながりで、なんでこんなに私に嫌われたくないなんて言うんだろうか。ゲームの相手なんていくらでもいるだろう。食満先輩も中在家先輩もやってると聞いた。尾浜先輩だってやってるんだから、他の人を誘えばいいのに。なんで、顔を赤くしてまで私を誘うのか。怪我の心配をしただけで、そんなに気にかけてくれるものなのだろうか。

「もう、け、喧嘩しないでください…!」
「!わ、わかった!」
「ぜ、絶対…!喧嘩やめてください…!」
「解った!約束する!」


「喧嘩は、わ、私にゲームで、か、勝ったら、解禁してください……!」


「!また一緒にやってくれるのか…!?」

曇っていた顔から一変。私の一言で、七松先輩は太陽の様な笑顔で再び私を目を合わせた。ゆっくり頷くと、七松先輩も、ありがとうと、抱きしめてくださった。


うわ返り血の匂いする臭ッ。




















「はい七松先輩の負けです」
「えぇぇぇえええーーー!?なんだ今の技!?見たことないぞ!」

「私の持つ一番最強装備です。此れに勝てるまでは喧嘩の解禁はさせません」
「ちょ、まってくれこれもう装備もキャラもレベルMAXじゃないか!勝てんぞこんなの!」
「何をおっしゃる!これに勝てないようではステージオールクリアなんて夢のまた夢ですよ!」
「うわぁぁあああん!」

七松先輩のキャラクターは武器屋へ駆け込み大金をはたいて装備のレベルを上げるように店の魔女に頼み込んでいた。一方私は薬草を食べた。

七松先輩はあの後舎弟()さんたちのアドレスを全部消して、落ち着かないからとピアスを付けて薬局へブリーチを買いに行った。やっぱり黒髪の自分を鏡で見ると落ち着かないからとこのあいだよりも明るい茶色を籠に入れていた。ついていった私の目をきにしているようだったのだが、気にしなくていいですからと言えば、嬉しそうにレジへと持っていった。「七松小平太黒髪ver」は都市伝説か幻として処理された。昨日みれていなかった先生方は嘘じゃないかと肩を落とし、食堂から出ていかれた。結局ピアスも髪色も前の状態へ逆戻り。喧嘩さえしなければいいのかとでも思ったのだろうか。まぁ七松先輩のキューティクルを心配しているわけじゃないから、好きにしてくれていいんだけど。それに、七松先輩という存在にも、もう慣れた。

こうして昼飯食いながら、またゲームできてるんですから。


「なぁ日和、私と付き合うのの返事は変わらないか?」
「……ど、努力は致しますでもそのまだそういう感情は本当にちょっとまだあのですね」
「うん、わかったから落ち着け」


…それにしても私が七松先輩の彼女候補から外れるのはいつの日か。



そして、おだやかに、もう無駄に先輩方と関わらずに生きていきたい。

七松先輩とギリ、中在家先輩だけで充分です…。






【長次 さんが ゲームに 参加しました 】
「もそ…」


「おう長次!」
「な、中在家先輩こんにちh」






【食パン満 さんが ゲームに 参加しました 】
「おー小平太、見つけた見つけた」


【望月 さんが ゲームに 参加しました 】
「探したぞ小平太。昼飯はもう済んだか?」


【ISAAC さんが ゲームに 参加しました】
「ねぇこのステージどうやって終わらせるの?」


【COA さんが ゲームに 参加しました】
「…なんだ?一年か?あぁ小平太が言ってた奴か」


【バラク・オハマ さんがゲームに 参加しました】
「あっ、日和ちゃん久しぶりー!その後大丈夫?」













「おう!遅かったな!日和!私の友達だ!一緒にやりたいっていうから呼んだぞ!」

「ど゛う゛し゛て゛な゛ん゛だ゛よ゛お゛お゛ぉ゛お゛!゛!゛!゛」
















Mission失敗

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