今私はとんでもなく動揺しています。何故ってそれは…。


「なん…だと…」


長次のベッドの下から、エロ本が出てきたからなのです。

「け、計算してないぞ…」



遡ること結構前。

今日は長次の図書委員会の仕事もなく、私も特になにもない。
ただのほほんとデートでもと計画したんだけども、別にどっか行きたいわけでもない。

ので!DVDを借りて長次の家で観ようということになったのだ。


そんでもって今長次の部屋に来ました。相変わらず凄く綺麗です。
長次は今お茶を持ってくるからっていなくなったわけだ。

むしろ何もないっていうぐらい綺麗な部屋。私も見習わなければ。
というかベッドから長次の華麗匂()ハァハァ。



てな感じで、ベッドでゴロンゴロンしてたら

ふと思ってしまったのだよ。





『健全な男の子のベッドの下には大人の教科書があるはず!』 と。




ほんの出来心です。ちょっとね、ベッドの下のぞいたわけですよ。

んで奥にね?手を突っ込んでみたわけですよ。



そしたらね






でてきたよ………。




なんて典型的なところに隠してんだお前は……。もうちょっと別のところあるだろ………。

いまやポテチの袋の中に小型テレビ隠してしまう時代だというのに……。



別にエロに抵抗のない私は中身を見たわけですよ。
ちょっと長次のこういう部分知らないし、どういうのが好きかとか気になったので。





「うーん、まぁ長次も健全な男の子だものね。うんうん仕方ないか」



「名前、お茶はアップルティーでも……!?!?」
「あーうん、かまわないよ」
「……待て…!!何をしている…!!」
「え」

信じられないほど顔赤いです長次さん。あれですかアップルティーだから俺を召し上がれとかそういう前フリですか。


「長次、顔真っ赤だよ」
「当たりまえだろう…!」
「アップルティーだから?」
「そういうことじゃないもそ!!!!!」
「もそって語尾じゃないよね!?」


きっとあれだ、長次はエロ本が見つかってあせっているのだ。そりゃそうだ。一応、彼女に見つかりたくないものランキングで断トツで首位独走中のものだもんね。


「そ、…あの、こ、……これは」
「あぁ、いや、別に、私は何とも思ってないけど?」
「……なに…?」

「長次だって健全な男の子でしょ。これぐらい普通だって。むしろ留三郎とか小平太とかの方がもっとヤバイの持ってるって。っていうか持ってるよ」

「いや、その」
「私は気にしてないから大丈夫。元に戻しておくから」

「…名前……!」
「なんだよもう!」


何事も無かったかのようにベッドの下に本を戻そうと思ったのにその手を制したのは長次。
なんだよもう!傷抉られて楽しいのかよ!もう触れないようにしてやってんのに!!


「その、別に………言い訳をするわけじゃないんだが…」
「うん」

「…それは、小平太が…」

「小平太が?」
「以前、私の家に………これを、持ってきたことが…あったんだ……」
「うん」

「いらんと言ったんだが、」
「置いていったと」
「……名前に、」
「私?」

「に、似ている女優が…載っていると…」
「…」



…なるほど、そういうことか。


「私は、持って帰れと言ったんだ…が………、」
「…結局気になって受け取ったと」
「……もそ…」


長次さん正直すぎですよあなた。


「え、ちなみにどの人?」


恥ずかしがる彼と何ともない彼女。自分で思う。これ普通逆やん。
そして開かれたページに載るAVの人。

似て、似てる…?似てるのか、これ。似てる…うーん…?えー…あぁ、でも目とかなんとなく…。いややっぱり自分じゃわかんないわ…。似てるのかなぁ…。


「………名前、…こんなものを凝視してるお前は…見たくない………」
「あぁそうかゴメンゴメン。でも似てるっちゃ似てるのか…な…。それにしてもこの人おっぱい……でも私の方がでかいかもしれんなちょっと待てよCだって私の方がデカわ!」

「頼む…!もう止めてくれ私が悪かった…!」

小平太もよくこんなん見つけてきたな…。そしてよく長次に持ってきたな。
絶対長次に一回ぐらいぶっ飛ばされたと思う。小平太南無。


「で、これをオカズにしていたとな」
「いや、だが……すまない…」
「いや、だから別に男の子だし、それぐらいあるでしょ」

性欲に対して別に私はとやかくいうような立場の人間ではないと思うしね。

実は私にも非はある。高校卒業するまでそーゆーことはしないと長次に誓い、誓われたからだ。ほら、うっかり孕んでもアレだしね。


「別に気にしてないし、せめもしないよ」
「いや、…だが」
「なんなの?ヤりたいの?」
「それは……………………」

「超絶に揺らいでんじゃねぇよ」
「……すまん」



そして出る沈黙の時間。これは気まずい。

でもだ、でもなのだ。私も、私にも非はあると思っているのだ。


「…正直、自分もあせってたりする」
「…?」

「いやーだって私はそんなプロポーションよいわけじゃないし、そういうのないと嫌われたりとかするかなーとか考えてたりとかするわけで」
「そんなことは、」
「ないって言ってくれるのはわかってるよ。長次はとっても優しいから」
「名前、」

「一回誓ったけども、実はそういう関係になってもいいかなとか考えてたりとかしちゃったりするわけで」
「…私は」
「なんか一応結婚を前提にーとか言って付き合ってはおりますが、そんなん口約束じゃん?いつでも破れるじゃん?」
「そんなこと…!」


「だからね長次」



そうして彼の口に、一つ口付けを落とす。











「もう二度とこんなエロ本なんかに浮気しないっていうなら、今すぐ私を愛すことを許してあげる」










そうして彼は何かがプツンと切れたように、ベッドに腰掛ける私を押し倒した。


くそー、獣な長次もかっこいいなー。

もう二度とエロ本なんて読まないでくださいよー。



















一緒に読みましょう



ただし、彼は多分我慢の限界です。

愛してあげる許可はあげてください。
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