※(一応)ホラー
オレンジの夕日が沈む頃。
人通りも少なく見渡せば私たちしかいない時間帯。
そんな時間帯に私は顔をうげっといかにも面倒くさそうに歪ました。
『やっば、…忘れ物してんじゃん』
「あ?忘れ物…?」
私の言葉に馬鹿じゃねーの、みたいな顔で見てくる切原さんの脛をとりあえず力の限り蹴り付ける。ぎいやああああああ!と発狂しながら悶える切原さんに私は澄まし顔。先輩たちはいつもの事だと特に反応はなく歩いてる。
ちょっ、労りの言葉ぐらいくださいよっ!とか言ってもスルーされる切原さん。
ぷ、ざまあ。
見下したようにほくそ笑めば先輩たちから何とも言えない表情を頂いた。そんな目で見ないでいただきたい。
『明日提出のプリント、教室に忘れたんスよ』
まあいいスよねー、とからから喉で笑うがある人物を見て固まる。
…開眼した柳先輩を見て、
「…そのプリントは仕上げたのか…?」
『え、いや、まだスけど…』
「ほう、それはそれは。ちゃんと仕上げて提出しなくてはいけませんね」
『えっ、いやプリントぐらいいいじゃないスk』
「プリントぐらい?そんな事を言ていたらそのうち留年するぞ」
『いや中学は義務ですし留年はないと思うんすけ…』
「空夜さん?」
にっこり、とまぶゆいばかりの笑顔をする柳生先輩と開眼してこちらを見る柳先輩がぐぐっと近づいてき、て‥
ひくり、と頬が引きつるのが嫌でもわかる。
『せ、先輩たち‥っ』
助けを求めるように視線を送るがさらりとかわされた。
っくそ先輩供が‥!!!
行きたくない、と再び述べようと口を開くがやめる。真田副部長がぷるぷると震えていたから、
これ以上反論すれば真田副部長からの怒号とともに長いお説教くるのは目にみえてる。うん、私だいぶ学んだな。
はあ、と面倒くさそうに長くため息吐けばなんだそのため息は!!と怒鳴られたがスルースキルを使わせていただきます。
「あ、俺も一緒に行くわ」
学校に向かおうとした私にかかった微妙に低い声にくるりと振り返る。
『なんスか、気持ち悪い』
「ひ、人の好意を素直に受け取れねえのか、テメエは」
眉を寄せて言えばひくりと頬を引きつらせ今にも額の青筋がキレそうな切原さんを鼻で笑いそして満面な笑顔で答える。
『迷惑ス』
「テメコルァア越前んんんんんんんんんんん!表でやがれ!!!」
『ここは表ですよ、ばか』
「ばかってなんだゴルァ!!ぶっ潰されてえのか!?」
『え、ばかの意味も分かんないスか?やっぱりば…ばかって言っても意味わかんないスよね。知能が低いですね!』
「よし、殺す」
にぱっと効果音がつきそうな笑みをすれば怒りを隠しもしない表情の切原さんがこちらに向かってくるがジャッカル先輩が羽交い締めをし前から丸井先輩が宥めてる。
わー、こわーい。とわざとらしく肩を竦めれば越前んんんんゴルァアアアア!と叫ぶ声が聞こえたがスルーさせていただきます。
『まあ先輩らは大人しく帰ってて下さいよ、一緒に来られても邪魔なんで』
手をひらひらと揺らせば引き止める声が多数聞こえるがお馴染みのスルーで。…引き止める声とともに怒鳴り声なんて聞いてないよ、うん。
「……相変わらず素直じゃない奴じゃな」
「…あそこまでいくと捻くれてると思ってしまうぞ」
「……それを言うな」
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