デイダラ | ナノ




ゆっさ。
ゆっさゆっさゆっさ。

「デイダラ」
「うん?て、ちょ、痛!いたたなにすんだテメー!!」

目の前で動く度に羽箒のごとく煩わしく揺れる忌々しいそいつの髷を引っこ抜く勢いで鷲掴みにするとそいつはギャーギャー悲鳴をあげた。

「うるせーよ」
「いや意味わかんねえよ喝すんぞ!うん」
「あんたのその髪」
「ああ?」
「鬱陶しいから今から切るね」
「ちょやめろクナイをしまえコラ」
「あんた左半分だけブツブツできても知らないよ」
「オイラの顔はそんなモンできないようになってるんですー」

ああ、こいつは腐ってもイケメンだった。アイドルクオリティという奴か。ちっ忌々しい。

「聞こえてんぞ」
「てかなんでそんなに伸ばしてんの?」
「オシャレだからだろ、うん」
「は、オシャレ、ねえ!」
「(うぜえ…)それにこれはオイラのトレードマークだろ、うん」
「いや金髪とかうんとかの時点で十分目立ってんだろそして攻撃も爆発タイプ。なんか狙いすぎてウザい」
「まあ実際オイラ人気じゃん、人気投票3位だったじゃん」
「(うぜえ…)…デイダラ…そうだよね…あんた暁のマスコットキャラだもんね…こんな私だけどあんたのこと物凄くかわいいと思ってる」
「い、いきなりなんだ、よ…(照れんじゃねえか)」

隙あり!可哀想なことに満更じゃなさそうに頬をポリポリ掻いたアホ面を一瞥しクナイを奴の髪目掛けて振り落とした。クナイが髪に触れる軌跡を辿りながらこいつの短髪姿を想像して、あ、意外とこれかわいいんじゃないかなと思った辺りが悪かったのか、野生の勘か、寸前で忍らしい動きで避けられてしまった。まさに、かみ一重である。はらりと金の糸が舞い、それが床に舞い降りた瞬間、それはもうぶち切れたデイダラが起爆粘土を繰り出してきた。ああ、短髪の奴も拝みたかったな、嘘ではない、殺したいほど憎たらしいけれど、こいつがかわいくて仕方がないのもまた事実。後ろからドカーンと派手な音が追ってくるなか、とりあえず今私がするべきことは、全力でこの場から逃走することであった。もちろん逃走する相手は角都からである。私悪くないもんね!!



切ってほしい


101229
短髪デイダラ意外といいと思います。リクエストありがとうございました!
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