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「イケメンの腰を振るサマは滑稽である」
「携帯のAV見ながら尻掻いてるお前の姿も滑稽だぜ」
「だから私はおっさんと美女、所謂美女と野獣がいいわけで」
「お前の嗜好なんて知るか」
「おっさんはガンガン腰振っていいけどさあ、こう、しゃんとしてる美形がガクガク腰振るのってアレだよね、滑稽だよね」
「美女はどんだけ腰振ってもいいけどな」
「そういうのがお好みなんだ」
「下から揺れる乳を見上げるのもなかなか乙だぜ」
「揺れるほど乳ないんだけど」
「乳どころか美女でもねぇだろ、多分お前下から見たら飛んでもねぇぞ、勃つもんも萎えるわー」
「そこは私のフェロモンで」
「なんかねっとりしそう」
「あんたみたいなタイプを上から見下ろすのはさぞ気分がいいだろうね」
「おいおい勘弁しろよ」
「うん、気分いい」
「俺は奴隷凌辱洋モノが好きなんだよ」
「わたしはなんでもいいや」
「結局」
「サソリがすきだ」
「ん」



グルリと反転した世界でムカつくくらい端正な顔がニヤリと笑う。理性を簡単に溶かす舌も、先に述べた滑稽な姿も、そう言えば愛しくて仕方ないんだった

何事からもその瞳を独占できる時間。いつか見た映画で情事中達した瞬間に首を絞めて男が女を殺すっていう斬新なシーンがあったけど、なんて理想の死に様だろう。あーあーあー

「あー」
「なに」
「しにたい」
「殺してやろうか」
「いいよ」
「ククッ」

汗ばんだ指先が私の首筋に触れる。私の瞳を覗きこむ両の目がからかうように光った。


「お前のさ」
「んー」
「その顔嫌いじゃない」



歓喜の痙攣
(今今、今だよ)




100913

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