このクソ部長が。これまで何度そう思ってきたことだろうか。
 入部してから幾星霜(とは言ってもまだ一年しか経っていないのだが)、部長にイライラさせられたことは数え切れない。それでも部活を辞めなかった私、超偉い。誰かご褒美としてお菓子ちょうだい。

 今日はお菓子いっぱい買ったから機嫌がよろしい私。部活にだってスキップして行っちゃうよ。機嫌良すぎるよ私。
 お菓子の袋を片手に抱えてるからドア開けにくい。よっこら、しょっと

 …って、何だこの美少女は。この部の紅一点である私が霞んでしまうじゃないの。まあ、系統違うからいいや。
 それより、あのクソ部長が何でこんな美少女引っ張って来れたんだ?この子目おかしいのかな?
 ってあ、あの子溜息ついてる。きっと無理やり連れて来られたんだろうなあ可哀想に。
 いやー、入部するんだってこの子。やだわー私上手くやって行けるか心配だわ。

 でも、クソ部長めっちゃ楽しそう。
 いやこの人はいつでも楽しそうだけどさ。うん。あーこれは何か裏あるな。いわゆる恋ってやつですか?
 あーあんなにはしゃいじゃってもう…駄目だうざいったらありゃしない。


――この後、私、木下美樹は白目を剥き、若干ふらつくものの、何とか立て直してポーカーフェイスを保つのであった。ちゃんちゃん。

(まあ、結果オーライってやつだよね、今考えると)

2011年08月21日 沢村 詠


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