デパートを出て再び学校まで自転車で送ってもらう途中、先程抱いた疑問を川嶋にぶつけてみる。

「笑ってた方がいいって、どういう意味ですか」

 瞬間、川嶋が急ブレーキを踏み、川嶋の背中に勢いよくつんのめってあやうく放り出されそうになる。お陰で鼻を思いきりぶつけてしまった。

「……痛いじゃないですか」

 非難がましく川嶋の顔を覗き込うとすると、ふいに顔を逸らされる。それを疑問に思って再び覗き込もうとすると、川嶋はきゅっとハンドルを握り直して、再びゆっくりと自転車を漕ぎ始めた。

「よく喋るようになったねぇ、真田ちゃん」

 川嶋がからからと笑う。その笑い声が振動となって、葵の中に響く。

「…先輩は、よく笑いますね」
「よく言われるよーそれ」

 そして彼はまた、からりと笑うのだった。


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