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「さて...鳳仙相手に立ち向かうとて、力で勝てる訳でもなくは、当たれば重傷になりますし...どうしたものでしょうか。」


...まぁ、それを考えることができるのは、目の前でそんなのお構い無しに突っ込む坂田さんや、月詠さん...それに百華の皆様がいらっしゃるからだ。坂田さんと月詠さんがまず先頭をきると...坂田さんには傘で。月詠さんは持っていたクナイを鳳仙は手で受け止めていた。

動きが止まるそれたちに、他の百華の方々が武器を持って襲いかかろうとするも...案の定、そこに月詠さんごと投げ飛ばされている。


「日輪さんと同じように脚を狙うのもありでしょうが...あの立派すぎる巨木のような脚に刺さるかどうか。...と、なると、」


「小娘...生意気な態度をとっておきながら、自分は棒立ちとはどういう了見...ッ!!?」


「"目"ですかね。」


鳳仙の片目は潰れていた。...それにあの月詠さんの血塗れのキセル。坂田さんが持っていたと考えると、彼が突き刺したんでしょう。脚を切り刻むのもいい案だと思うのですが...なにぶん、腹の傷のせいで完全な力が出せない。

...となると、速さで勝つしかないと思い、これはあの神威にも対抗できたものだから...と思い、なにやらぶつくさ話す鳳仙の目に向かって私は一気に距離を詰めたものの...案外速く動けるらしく、そのまま横に躱された。


「...それでも潰しますけどねッ!!」


躱されたと同時に刀を素早く持ち替え...鳳仙の肩に手をつけ、膝蹴りを食らわせれば...鳳仙はよろめくも、すぐさま私に向けて傘を振り上げてくるも...私は鳳仙の頭を使って上へと逃げた。


「ぐっ!!この女ァァッ!!ちょこまかと...!!」


「坂田さん!そのまま狙っててください!!」


拘束が解かれた坂田さんが、大きく刀を振ろうとしているところに...私は上から同じく刀を打ち付けた。鳳仙の耳を切り落とし、肩まで抉るも...半ば途中でそれは留まり、そこに鳳仙は反対の手をこちらに向けて刀を叩き割った。

そして、そのまま坂田さんの腹部を蹴りあげるものだから...私と坂田さんは飛ばされた。坂田さんはそのまま壁に全身を打ち付け、私は直前になんとか体勢を整えて足を下ろして壁際まで引っ張られた。


「いってて...、オイオイ刀じゃ部が悪すぎねェか?どうする?名前チャンぶべらッ!!?...ってェな!なにすんだこの女グエッ!?」


「なにあなた...刀折られているのですか?私、言いましたよね?"刀折られたら骨を折る"って。」


「言われてねェわ!!..."弁償して返せ"って理不尽しか言われてねェけど!この女...さらに理不尽の上乗せか!?"失礼"の次は"理不尽"か!?」


「あら、それは失礼致しました。私の勘違いのようですね。...あ、思い出しました。漫画のキャラクターが仰っていたのでした。確か...鬼を倒すとうストーリーで、天狗のお面を被った方が..."刀を折ったら坂田銀時の骨を折れ"って仰ってまして...はい、では折りますね。」


「意外と漫画とか読むタイプなのな!?...っつーか!それどこの鬼を滅ぼす刃!?...鱗滝さん俺のこと知らねーよォ!?理不尽の極みすぎる挙句に、結局はテメェが折りてェだべろばァッ!?」


私の刀が折られたという屈辱に腹が立ち、すかさず坂田さんの頬を殴り...胸ぐらを掴んだ。"折られた"という事実は変わりないのだから、他のことはどうでもいいというのに...ベラベラと未だに話す坂田さんの顔面という顔面を殴れば、鈍い音が鳴り響いた。

"ちょっと、銀さんのイケてるご尊顔大丈夫!?"って、理解が追いつくことの無い日本語を話しているものですから..."大丈夫ですよ、ゴキブリの方が断然イケメンです"とフォローをすれば...またガミガミと坂田さんは繰り返している。...煩いですね。


「大体なァッ!?いきなりテメェの都合で突っ込んできたのに対して、対応してやった俺に少しは感謝しろよ!少しでいいから優しさ見せてみろやこの毒製造機!」


「そちらに関しては、坂田さん...あなたが私から"目が離せない"って仰っていたではありませんか。なので私は絶対的な信頼の元...あの作戦を実行したまでです。なにせ私たちは両想いなのですから。」


"優しさ"と言われましても、普段から正直な気持ちを申し上げている身...いつものように坂田さんに返すと、途端に坂田さんは顔を真っ赤にし始めた。...どういう仕組みになっているのでしょうか?






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