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「"そんなこと言われましても、元々私は坂田さんの連絡先を存じ上げてないので。それで私の連絡先を知りたいだなんて...虫が良すぎる話ではありませんか?坂田ごときが。"」


「もう本当になんなのお前ッ!?俺、名前チャンの彼氏だよね!?ちゅーとか、セックスとか...結婚とかあーだこーだ言ってる仲だよね!?ってか、俺の連絡先知ってんだろーがッ!?普段、俺の仕事場にかけてんだろーがッ!?」


「"坂田ごときが"彼氏"だなんて、甘っちょろい事言わないで頂けますか?坂田さんは、それらあーだこーだを私にできる、唯一の私の"男"ですよ。...それに今は神楽ちゃんや新八君の勤め先である、"万事屋銀ちゃん"の電話番号です。だって、私ゴキブリの連絡先存じ上げないってお伝えしているではありませんか。"」


もうなんなのこの女!!"彼氏じゃなくって男だ〜"とか、めっちゃくちゃ嬉しいこと言ってくれてる!と思った次の瞬間にはこれだよ...もう隕石だね!恐竜を絶滅させたような毒の隕石なんだけど!?...いいや、考えを変えろ俺。これはきっとツンデレってやつなんだよ。俺はそう心を入れ替えて、再び口を開こうとした時...、


「"そんなことより、総悟君に代わっていただけますか?元々こちらは総悟君の携帯なのですから。貴方のような羽虫と話す筋合いなんて...あ、2人分まとめて私がお支払いします。すみません、あのクソガキ...青年が大量に食い散らかしてしまいまして。"」


「せっかく人が考えを改めようとしたのに...ツンデレじゃなくて、ツンドラだって証明すんのやめ...って、ちょっと待て。今、"2人"とか言ったか!?しかも"クソガキ"って神楽の兄ッ!?」


「なにィィィ!?名前!とうとううちのバカ兄貴と結婚するアルか!?...とうとう私が名前の"義妹"になれるアル、ちょっマヨ!なにするネ!!?」


「オイ、苗字テメェ...万事屋だけでなく、他にも男がいるってか?...いいぜ、こちとらお前を奪う気で告白してんだァ。どんな男であろうが、お前に相応しいのは俺しッ!?」


「しゃしゃり出てくんなこのV字前髪!名前チャンに相応しいのは、俺しかいねェって話してんだよ...それに、名前チャンは俺に話がしてェって言ってんだよ!!...テメェは永遠に知りもしない名前チャンの電話番号を探し回ってな!!」


「"...貴方だって、直ちに総悟君にこちらを返して...私の電話番号探し回ってください。そもそも、なんで総悟君と坂田さんが一緒なのかと思っていたら...何故土方さんもいらっしゃるのですか。神楽ちゃんもいるってことは...万事屋に皆さんがいらっしゃるということですか。"」


電話の向こうで、なにやら会計をしている名前チャン。その口から"クソガキ"と出てきたのは明らかで。あの名前チャンが"クソガキ"とかほざくのは...あの吉原の時の、神楽の兄ちゃんだ。なに俺以外の男と仲良くしてんだって叫ぼうとすれば...電話を神楽に奪われ、土方に奪われ...最終的に俺の元に戻ってきたそれ。


「苗字!そのモジャモジャは、お前の金にしか目がねェぞ!!ただのヒモ男だ...目を覚ませ!!俺こそがお前を幸せにする!!」


「"そんなこと頼んだ覚えもなければ、今後頼むことはございません。それに、とっくのまにそれらは存じ上げております。だから、貴方こそ...とっくのまに死んでいることをいい加減に自覚してくださいね。死に方さん。"」


「ガハハ!毒言われてやんのーッ!...そーだぞ、このクソ土方...テメェなんざいっつも死んだ魚の目をしやがって!人の女かっさらう前に成仏しやがれッ!!」


「"さらにその毒は貴方自身のことであると、お気づきにならないのでしょうかこの脳なしは。坂田さんこそ立派な死んだ魚の目がついていらっしゃるというのに。死んだ魚の目だなんて...わーすごい。"」


さらに土方が電話を取ろうとするものだから、俺もそれにならって取ろうと...お互いに引っ張る電話に向かって、話していると向こう側から律儀に返答があって。...しかも相変わらずのこの毒だ。それにとうとうキレた俺と土方が、"よく毒の回る頭だな、クソ女ッ!!"と叫べば..."随分と仲良しになられましたね。"と返ってきた。


「「誰がこんな奴と仲良しだクソ女ッ!!?」」


再び重なる声に...名前チャンの大爆笑の声が耳に響き渡った。本当になんなのこの女...性格終わってるわ。毒吐きなのも勿論だが、元の性格がてんで終わってる。俺は怒りが頂点に達し、文句を言おうと口を開いた。...が、その前に発せられた言葉にしばらく沈黙することになった。


「私の坂田さんと仲良しするのは、程々にしてくださいね...土方さん。坂田さんは私の男です。言っておきますけど、私...この世の何よりも、坂田さんのことをお慕い申しあげておりますよ。...それでは。」


6話 本当になんなの?この女。


((...。))
(ちょっと失礼しやすねィ。...ようやく返ってきた俺の携帯。っつーか、名前姐には首斬りについて聞きたかっ...って、なんつー顔してんでィ、旦那。気持ち悪ィ。)
(...う、うっせェェェ!!っとになんなのあのクソ女!!平気で人のことけちょんけちょんにしたと思えば...よくもまぁ、そんなクサいセリフ言えんのなッ!?)
(...あ、土方さん。名前姐が"連絡先伝えておいて"って、メールがきやした。)
(...ふ、ふん!見たか万事屋!!結局苗字はテメェに連絡先教えたくねェみてーだなァ。...お、俺は?すんなり教えて貰えたけどなァッ!)
(...負け犬の遠吠えですかィ?土方さん。)
(うっせェェェェ!!!)




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