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"お前だって関わりたくねェんだろ!?だったらここは俺に任しとけって...大人しく俺の周りを彷徨いていれば、ことは収まるから。なんなら報酬も手に入って一石二鳥よォ。"


関わりたくないと言ったのに、関わらせてきたという事を...馬鹿な坂田さんは理解する頭はないようで。しかも潜入捜査というのは、最近勢力をあげてきている"知恵空党"だったらしく...女人禁制とかで、なんだかよく分からない設定を作られた私は...坂田さんの隣に立っていた。


「ってことだァ!コイツらはマジで尊いホモカップル...略して、"ホモップル"だァ!温かく見守ってやれェ!ヘッド命令なッ!」


「...へぇ、やはり坂田さんは私が"男"の方がいいと...そういうことですか。私、そういった手術は受けたくないのですが...坂田さんがそういう方なら、仕方あり」


「違うよ!?そんな可愛い顔にバベルの塔建設しなくていいからァ...俺はお前が女で嬉しいよォ!?でもさ!ここで名前チャンがパパーッと一網打尽より、アイツに金もらって一網打尽の方がいいじゃん。関わらずおとなしくとけば、金が入るんだぜ?」


「...私は貴方と違ってお金に困っていないのですが。まぁ、ここまでくれば腹を括りますが。...それに、なに勝手に私が建設すると思っているのですか?私が自分の身体にメスを許すとでも?...8Kの坂田さんの見せ場ではありませんか。坂田さんが玉をれば事足り」 
 

「足りねェよ!?むしろ"事足りる"じゃなくて"こと引いて"っからァ!?...なら、俺の借金返さなくていいよね!?事の発端、そのせいなんだけど!?」


"それとこれは別です"と言えば、"あー!"と叫ぶ坂田さん。...というか、昔みたいに男装していないので見たまま女だと思うんですけど...ここにいる連中の頭がおかしいのか、どこにあの坂田さんの発言に信頼性があったというのでしょうか。

浪士たちが"ヒューヒュー"とか"幸せになァ!""尊い!"と囃し立てる中..."ヘッド"だと名乗っていた男が、それを制して...見覚えのある男の首根っこを掴んで引きずってきた。


「オイオイ、テメェら聞いてくれや。あの暴れん坊のTETSUって居たろ?俺達と幕府をディスりまくってた奴...これが幕府の犬の使いっパシリだったんだよ。」


「「げっ。」」


その男を見ると、まさに顔見知りの...先日、土方さんの小姓となった...かの佐々木の弟の鉄之助さんであって。顔見知りである私と坂田さんは全力で顔を背けた。


「おいィィィ!なんでテメェも顔背けてんだよ...俺は、アイツと面識...あれ?もしかしてお前も?」


「そのまさかですよ。...あー、だから関わりたくないって言ったのに。これ絶対に佐々木の差し金ですよ。とにかく後ろに引っ込み」


「おら、新入り!この裏切り者のパイセンに...新入りであるお前が喝入れてやれッ!お前もそっちの方が屈辱的だろ!?相方に良いとこ見せてやれ!」


「「え。」」


...ボロボロになっている人間に喝を入れているところが...どうして良いとこになるのか知りたい所。...と、そういうのはさておき。困りました。後ろに引っこもうとしていたのに、やんややんやと浪士達に背中を押される私たちは...とうとう鉄之助さんの前に押し当てられた。

ここはもう鉄之助さんに頼るしかないと思い、なんとか"名前を出すな"と言わんばかりに...拘束を和らげられ、ゆっくりと呻きながら立ち上がり、顔を上げる鉄之助さんにそのオーラを放った。...が、


「苗字さん!俺です!鉄之助です!...これ、土方さんから預かっブベラッ!!?」 


「...え、なんか今名前呼んで」


「オイ、テメェ...なに人語を話してんだ豚が。豚が慣れねェことすんじゃねーよ。豚は豚らしく、糞尿撒き散らして地面這いつくばってろ。殺すぞ。」


そんな期待なんて馬鹿に通用する訳もなく、普通に呼んでくるものだから...私は掴みやすい頭を掴んで、目に向かって膝蹴りを食らわせた。後に、それを地面に叩きつけ...その頭の上に足を乗せた。同時にヘッドがなにか言っていたような気がして..."なにかありましたか?"とにこやかに聞くと、ものすごく横に首を振られた。

"ターイムッ!!"と言う坂田さんに腕を引っ張られ、乗せていた足も自然と浮き上がり...ガタガタと震えるヘッドに背中を向ける格好になった。


「っとによく知り合いにあんなことできんのな、お前!?大人しくしてろっつったろ!?なに目立ってんだよ!?"良いとこ見せろ"言ってたヘッドも顔負けだよ!?チンピラよりチンピラなお前に、ガクブルしてんじゃねェかッ!」


「...あ、なるほど。私...じゃない方がいいか。僕...銀たんのー、カッコイイとこ見たいなー。男らしくってー、頼りがいのあるとこ見てー...もっと好きになりたいなー。」


「"良いとこ"見せろ言われたけど、そういう意味じゃねェよ!?...もっかいやって!今のやつ!めっちゃ可愛い!"銀たん"ってもっかい呼ん」


「その声はまさかあの時の男ッスか!?オイ、お前!苗字さんは土方さんという男コパァッ!!?」


コソコソと話しているつもりなのでしょうが...全くその雰囲気がない坂田さん。ですが、周りの浪士もなにやら震えているので聞こえていない様子。それに坂田さんの提案にのれば...勢い任せて鉄之助さんがこちらに向かってきて。

今度は坂田さんが渾身の力を込めて鉄之助さんを地面に叩きつけていて。それから殴ったり蹴ったりを繰り返している場面から...なにやら封がとじられた紙が私の手元に落ちてきた。


8話 チンピラよりチンピラ


(あんの野郎...やっぱり惚れてんじゃねェか!いいか!?コイツは俺の女なの!俺たちは恋人同士で愛し合っ)
(女ァッ!?お前たちはホモップルで尊い関係なんじゃ)
(あぁ、違ったわ...俺の男なァッ!?俺の男なのに、ほかの男の女とかテメェがほざいて)
(ほら!また女って言った!テメェら!ここのルール分かってんだろ!?直ちに喝を)
(もういいじゃん!?男でも女でもいいじゃん!?最後まで言わせてくんない!?すっごい見せ場じゃん、ここ!)

(土方為五郎様?...いや、でも宛先が...?)





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