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「「あ。」」


久しぶりにパチンコで勝ったから...なんか甘いもんが食いてェと思い、足を運んだのは...あんみつ屋。ここのあんこは格別らしく、寒天と黒蜜の相性も最高らしいなぁ...と思い、意気揚々にそっちに向かうと...、

同じタイミングで暖簾をくぐろうとする人物が居た。"やっぱり顔がいい...ヤりてェ"と思うもつかの間..."うっわ、8K"とポツリ呟かれた単語に青筋が立つ。


「なにお前...銀さんと同じ甘党ってか?...腰に物騒なもんぶら下げておきながら、案外女らしく甘いもんが好きってか?...外見だけかと思いきや、案外可愛いとこもあんじゃねェか。...っし、ここらで銀さんと1発」


「私、どこぞの誰かと違って...真面目に職務を全うしている人間なんです。しかも、この職務はかなり頭を使うといいますか...どこぞの誰かと違って、脳を酷使しています。なので、どこぞの誰かと違って...甘いものを休憩時間に、必然的に摂取している形なんです。」


「どこぞの誰かって俺のことだろォォォ!?おもくそ俺の事を虫けらのように見やがって!...見た目がいい事に、俺の事けちょんけちょんにしやがって!」


「誰も元からけちょんけちょんな坂田さんの事を言っていませんし、虫けらのように見ていませんよ。...ですが、情報ありがとうございます。ゴミクズのように見ていた坂田さんを、虫けらのようにけちょんけちょんに見ればいいんですね。」


なんも変わってねェ事実な上に、上乗せされる悪口に俺の青筋ははち切れた。それを爆発させようとしたところで、店員に声をかけられた。...っし、どうでもいいや。顔がいいのに加えて、俺には今日...甘味が、あんみつが食えるという利点があ...、


「相席でごめんなさいね、最近どこかのタレントが"美味しい"って言ってくれたみたいで...ちょっと忙しいのよ。」


「誰だァァァ!!こんな時に限って、こんな店に来んなよ!...銀さんもそれ見て来たから気持ち分かっけど!でも!この女と一緒にあんみつを食うなんざ...生み出される毒によって味なんか分かる訳ねェじゃねェか!」


「あ、店員さん。この人、元から頭の中に脳が詰まってないので。元から分からないので安心してください。...私もそちらを拝見して来た身です。こちらのゴミクズ虫けらけちょんけちょんの頭パァもそのようですので、フルーツあんみつ2つお願い致します。」


"なんで勝手に注文してんだ!"って、色々思うことをまとめてつっこもうとしたら..."あの番組をみてたなら、あなたもそうでしょ。"と。そんで、"奢りますから、とにかく座ってください"と...そういや、俺...座る名前チャンの真隣にしゃがんでいたんだと思って。

というのも顔がいいから...というのも顔がドストライクだから、間近で見たくなって。"俺の席はお前の隣だから1発"って..."1"と指を出せば、ゴキッと曲げられて...その指は空いてる向かいの席を指していた。


「再びあなたの席を刑務所にしてもいいんですよ?...今度は確実に"死刑"にしますね。先に言っておきます...さようなら。」


完全に据わった目の中には"座れ"と言っているようで。有無を言わさないような気迫に負けた俺は...ひっそりと指を元に戻して、向かいに座った。




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