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「だいぶ落ち着いてきましたか?...真っ赤な様子も無くなってきましたし。このままいくと、8Kを兼ね揃えた銀髪も真っ赤になるところでしたね。」


「...名前チャンってさ、羞恥心とかないの?どんな鋼のメンタルしてんの?...だから、毒製造機なの?8Kを兼ね揃えた銀髪ってなに?...俺、どんだけ銀髪に重みがあんだよ。」


「ご安心ください、坂田さん。貴方のクルクルパーは、脳からのものです。つまり、脳がクルクルパーなので...あなたの頭のクルクルパーに影響はございません。元からクルクルパー」


「さっきから"クルクルパー"うっせェんだけど!?なんの話してんだよ...つまり、俺が阿呆って話なんだろうがッ!」


あれから...とりあえず、場が場だったものだから近くにあったファミレスにかけこんだ。火照りが冷めない俺にいちごオレを...自分はコーヒーを頼んでいた。そのコーヒーを啜る名前チャンが、完全にあの時に目が合った子だと...さっきまでの話で一致した。

"阿呆もそうですが、馬鹿でもあります。惜しかったですね"と続ける所...なんとかなんねェのかこの女。だけど、"あ?"と文句言ってやろうと思い...顔をあげればニコリと微笑みかけられた。...クッソ、なんでこんなに顔がいいんだよ。本当にあの時だって綺麗な顔した男だって...、


「なァ...なんで男装なんかしてたんだ?んなことしなくたって、今みたいに二刀ぶら下げていればよかっただろ?」


「あぁ、それなら...昔、少しばかりヤンチャしてまして。よく男とチャンバラをしていんですよ。まぁ勝利しかしていませんが...その際に"実は女です〜、クソ雑魚"とバラすのが中々面白おかしくって。」


「どんだけいい性格してんだよお前はッ!!...本当にそれだけか?言いたくなかったら言わなくてもいいが...あんまり溜め込みすぎんなよ。俺ならいつでも聞いてやっから。」


「...私、坂田さんが好きです。」


「なんでいっつもそんなに変化球な訳ェッ!?どこに告白する流れあったんだよ...ここは激流の川かッ!?」


"いつでも聞くって言ってたではありませんか"と、これまたコーヒーを啜りながら喋った名前チャン。その顔色は一切変わらずに...あぁ、勿論俺は真っ赤だよ。再び落ち着こうと、いちごオレを飲めば...その続きは訪れた。


「いつでもつったって、流れがあんだろ!?今のどこにそれがあった!?激流つったけどあれだよ...いきなり激流の温泉見つけた感じだったじゃん!?」


「うっわ..."できた人間"ってこっわ。天然たらし、こっわ。これをあらゆる女性にしてんの?この男。嫉妬まみれで死んでやろうか?...死ね、坂田。」


「なにボソボソと喋ってんだこのクソ女ァッ!!最後の"死ね、坂田"しか聞こえなかったんだけど!?腹から声出せやッ!」


「死ね、坂田。」


「声出すとこそこじゃねーよッ!!そこだけははっきり聞こえてっから...お前の"毒"だけは俺にしっかりと届いてっから!!」


...続かなくてよかったね、こんな会話。なんか"嫉妬"とか言ってた気がすんだけど...返ってきたの"死ね"だったわ。"し"だけ合ってんだけど、その"し"は要らないやつだったわ。


「そんなに思い詰めるような理由で、男と名乗っていた訳ではありませんよ。前職は、女だとなにかとなめられてしまうものだったので...なら、一層"男でいいや"と思っていただけですし。まぁ、今は肩書きというものができたのでそれをしなくてよくなった...というだけです。」


「...お前、前になんの仕事してたの?なんか攘夷戦争のことも知ってるみてーだし...だけど、攘夷志士じゃねェって言ってたし。...おまけに幕府にも"後に外部から入った"人間なんだろ?」


「...坂田さんなら、なにかと察しているかと思いますが。その"お察しの通りです"としか私は返答致しません。」


...ってことは、あの戦闘スキルを見る限り...やっばそうなのだろうか。人を斬るとかそういう類の...。しまいに"致しません"と言い切り...さらには"それに過去とは決別しました"と続けた。完全に遮断してきやがった。


「...分かった。それ以上はツッコまねェ。俺は別に名前チャンの過去なんか関係なく...お前のそういったとこも...真っ直ぐなとこにほ、ほほ、惚れたというか、...す、...すす、好きだ...し...って、人が勇気を振り絞ってだ...なァ?」


今の話からもそうだ。名前チャンはいつでも真正面で...真っ直ぐなんだ。その伸びて綺麗な背筋と一緒で。そこに"できた"部分があって...そこに惚れた。"だからそんなの構わない"という話をしていたのに、いきなり"はぁ"とため息をついて机に突っ伏していた。

それに対していつものように"失礼な奴"と腹が立ったから...文句言ってやろうとすると、突っ伏した顔が赤く染っているのに気がついた。それに釣られて俺も頬が赤く染まるのが分かった。





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