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「あら、坂田さんは入れ違いにお仕事に...私、てっきり皆さんでお仕事に行かれているのかと思っていたのですが...バラバラに行くこともあるんですね。」


「仕事?...違うよ、名前。銀ちゃんはパチン」


「あっ、あー!基本はそうなんですけど...今回はね!たまたま仕事が重なってて、別行動になっただけなんです!僕たちの方が早く終わったんだよねー!神楽ちゃん!」


あれから、すぐに家のチャイムが鳴って。そこに向かえば...いつもの軍服じゃなくって、パーカーを着た名前が立っていた。中に案内すると、銀ちゃんがいない事を疑問に思って...それに私が答えようとしたら、新八が"合わせろ"といった感じにしゃしゃり出てきたネ。

"そうネ"とそこは空気を読めば、"そうですか...仕事なら仕方ありませんね。"と名前は言って、刀をおろしてソファーに座り...新八が出した茶を啜った。


「よかったら皆でお食事でも...と思ったのですが、坂田さんがいらっしゃらないのであれば...新八君と神楽ちゃん、ご一緒しませんか?私がご馳走するので。」


「いいアルか!?...だったら、私...名前の手料理食べたいネ!天ぷらにしようヨ!葉っぱカリカリにして欲しいネ!あれ、味とか分かんないけど...絶妙に美味しいよナ!」


「..."ご馳走する"と申し上げているのですが...何故、"手料理"に変換されたのでしょうか。...それにピンポイントで、作るのがめんどくさいメニューを選んだのですか?」


「そうだよ、神楽ちゃん。"天ぷら"って確かに衣つけて油の中に入れるだけだけど...その後が大変なんだからね。後片付けのことも考えないと...そうだ!名前さん!ロールキャベツなんてどうですか!?ただ巻いて煮るだけです!」


「地味に手間のかかる料理を選択するとは、さすが地味代表の新八君ですね。...でも、あなたがボケに回ってしまったらどうするのですか?メガネかけ機だから仕方ないと片付ければよろしいのでしょうか?」


時間はお昼ちょっと前。名前の言う通り、お昼には丁度いい時間で...何が食べたいかなーっと頭を悩ませていると...それは名前の手料理という答えになった。

新八もなんか色々言っていたけど、どうやら同じように食べたいらしくって...名前は"台所や冷蔵庫、拝見してもよろしいでしょうか?"と言うものだから、"どうぞ、どうぞ"と皆で台所へ向かった。


「もしかして名前...本当に作ってくれるアルか!?...念の為聞くが、姉御タイプではないアルか?可哀想な卵やら、ダークマターやら...。」


「凝ったものは作れませんが、人並みに作れますよ。あんなゲテモノ職人と一緒にしないでください。...いえ、違いますね。あんなのでも一応一種の才能ですもんね。」


「...人の姉上のことを、実の弟の前でよくもまぁそこまで言いますね...と言いたい所ですが、あればかりはその通りなのでなんとも言えない現実。」


名前を台所に連れていくと、色々開けたり閉めたり...料理器具の確認や、調味料の確認をしていて。冷蔵庫の中を見た時に..."あのー...卵しかないのですが、これもお妙さんのせいですか?"と新八に聞くものだから、そこは私が"うちはお金がないから、基本的に卵かけご飯しか食べないネ!"と言った。


「...なるほど、坂田さんが甲斐性なしとは知っていましたが、これはよくありませんね。まずは食材の買い足しに行きましょうか。当分の食料を買うので...2人ともお手伝い願います。」


「きゃっほー!名前、名前!酢昆布買って欲しいネ!100年分買ってヨ!」


「酢昆布も多少いいですが...まずは食材です。神楽ちゃんはともかく...坂田さんや新八君はそれなりに料理できるのでしょ?...私が購入するので、その後はよろしくお願いしますね。」


「いやいやいや!いくらなんでも名前さんにそこまでしていただくには...大体、銀さんがろくに僕たちに給料も払わないせいだっていうのに。それにそこまでとなると、お金の方が...、」


さすが私が認めた女...名前アル。色々買ってくれるらしく、スーパーに行こうと提案してくれた名前。それに"酢昆布"もお願いすれば、了解してくれて。嬉しさに抱きつけば、頭を撫でてくれた。

せっかくの好意を新八がまたなんか止めようとしている...だけど、やっぱり名前はできた女ネ。あの銀ちゃんが認めるのも分かる...だけど、あの銀ちゃんと違って名前は...懐も厚い。


「お金に関しては心配要りません。腐るほどあるので。...私、もう仕事しなくても遊んで暮らせるぐらいの貯金があるので。」


3話 似てるできるに、似てない懐


(...え?幕臣ってそんなに貰えるんですか?...やっぱり姉上、近藤さんと一緒になった方が...道場も復興できるんじゃ?)
(近藤さんより、私を捕まえた方が確実ですよ。...あの方々は遊んで暮らすのは無理でしょうね。だって、私は真選組の方々よりも約5倍はもらってますかね。)
((マジでかァァァ!!!))
(はい。...ですが、新八君や神楽ちゃんは子どもなのでともかく。坂田さんを甘やかせるつもりなんてありませんよ、この間のお金だって未だに返してもらっていませんし。)
(...名前さん、あの額...銀さんには無理です。)
(2つある臓器を1つにするお仕事すれば、あっという間ですよ。いざとなったらいい売人を紹介致します。)
(...銀さん、超逃げて。)





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