ベビードールの使い方






「…………………リヴァイの、趣味?」


そう言って見つめる先はひらひらのベビードール。ひらひらというかスケスケというかコレ絶対着たら胸とか全部透けて見えるやつだ。しかもコレがミラの部屋にあるならまだしもリヴァイの部屋にあったのだからミラは固まるしかない。

どうしてリヴァイの部屋に来たなんてそれは簡単な事だ。寝る前にちょっと顔を見たかったからというそんな理由だった。
勝手知ったる恋人の部屋なのだから合鍵だってもちろん持っているが、部屋の鍵は空いていた。そして部屋に入って正面のテーブルに無造作に置かれたベビードールを見つけたというわけだ。


「まさかリヴァイがコレを一人で来て夜な夜な楽しんでるとか…?やだやだ!気持ち悪い!あの顔でコレは気持ち悪い!」


まさかと思いながらも否定しきれず恐る恐るベビードールを見た。
触り心地はとても柔らかく、生地がとてもいいものだというのは分かる。
ベビードールの下に綺麗に畳まれた下着は何故か下の一枚しかない。上は隠さないのか…。
しかし、触った感じ多分コレはまだ未使用品なのかもしれない。
「もしかして私に着せようとして…?いや、似合わないでしょー」



そう言って手にしたベビードールをテーブルに置くも、チラチラと目に入るそれにミラはブンブンと首を振った。


「…き、気になるんじゃないんだから!」


そう言っても目に入るピンク色に、手が伸びる。
ピンク色の、薄く上質なレース。触り心地だっていいし、きっと着心地も良いのだろう。何より、可愛い。
このご時世、こんな上質な物はおいそれと手が伸びる品ではない。絶対コレ、高い。洒落にならない値段だ。


「た、確かに…可愛い…。私の地味な下着より…可愛い」


そう言って周りを見る。まだ、部屋の主は来ない。


「ちょっとだけ…ちょっとだけなら、いいよね…?」


そう言って恐る恐る服を脱ぎ、下着も脱ぎ去る。少し抵抗もあったが、色気の無い地味な下着を着たままこの可愛らしいベビードールを着るのも気が引けた。
一緒に置かれたほぼ紐みたいな下着を履いて、ベビードールを着る。
そして、何故かテーブル近くにある姿鏡を見た。


「や、やっぱり可愛い!…このスケスケがどうにかなればもっと可愛いのに!」


普段着ることのない、柔らかで可愛いらしい下着に思わずミラはウットリと見た。


「はぁ、やっぱ可愛い…。やっぱりこういうの買おうかなー。でもなー、高いんだよなー」


「で、でもリヴァイが喜んでくれるなら…って、それはないかな?滅多に可愛いとか言わないし…」

「…………」

「ううう…けど、リヴァイが可愛いとか言ってくれるなら…うう!やっぱり見せるのは……っ!」

「…………」

「けど、やっぱりこれ…可愛い…」

「…………」


「これでお尻がもう少し隠れれば……って本当に紐っ!お尻丸見えじゃん!」


「ほう、悪くはないがな」


「えー?だってもう丸見えじゃん!下着っ隠すためにあるのに意味ないじゃん!」


「それは見せてなんぼのモンだろうが。それにミラの尻はいい形してんだから何も恥じることなねえ」


「そんなの褒められても………ってリヴァイ?!」


「うるせえ、聞こえてる」



そう言って眉間に皺を寄せながらもちゃっかりミラのお尻を見ているリヴァイが後ろに腕を組んで仁王立ちしていたなんて誰が予想出来ただろうか。


「しかしいい心がけだな、ミラ。言われる前に自分から着るのは実にいい心がけだ」


「な、ななななななんでっ!」


「しかもデザインも気に入ったんだろ?…なら、いいじゃねえか」

「…、ひぃっ!」


そう言ってぐわし!とミラのお尻を鷲掴み、ゆっくりとその感触を味わうようにぐにぐにと揉んでいけば、ミラは小さな悲鳴を上げた。


「ミラも楽しめて俺も愉しめる。一石二鳥とは正にこの事だと思わねえか、なぁミラよ」


そう問いかけてもミラから返ってくるのは小さな悲鳴と微かな艶声。
申し訳程度についている紐を引っ張ってもミラは抵抗することなく、テーブルにぺたりと突っ伏している。


「明るい日中にこんな厭らしい服を着たミラをヤるのも悪くない。まあ、抵抗するミラを無理矢理ねじ伏せて着せるのも
アリだが、これはこれで悪くない」


そう言って力なくへにゃりとテーブルに突っ伏したミラを軽々と抱き上げ、行く先は新品のシーツが敷かれたベッド。
明るい日差しの中、全てを曝け出せ。全て見せて厭らしく自分を誘って上に乗って俺をイかせろと言われるのを、ミラはまだ知らない。







リハビリその3です。現パロでやろうとしたのですが現パロにしたらなんか兵長がオッサンにしかならない気がしてきたので。
今は色々なスケスケなベビードールがあるんですね。兵長はさり気なくえげつないのより可愛らしいデザインが好きそうという勝手な思い込み。















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