逃げました
日々繰り返す、生態調査
生き物を使った血なまぐさい生体実験
弱いポケモンを強く、強いポケモンをより強くするために
個々の能力を強化し、最強の固体を産み出すために
そうやって繰り返されていた研究に嫌気がさして逃げ出した
ポケモンの研究施設で働いていたころは、人の為、ポケモンの為と思っていた
バトルは一種のコミュニケーションだし、負けるよりは勝つほうが良いに決まっている
勝者がいれば敗者がいることなんて、少し考えれば誰でも解ることだったのに
目先のことばかりで、何も考えちゃいなかったのだ
それでも大切なことを欠落させたまま実験を続けていた
俺の研究が悪用され、新たな禁忌と呼べる命を生み出そうとされるまでは…
意識もしていなかった
自分が勝手に産み出してきた命が、意志もなくニンゲンに道具として扱われているなんて
遅すぎるし、取り返しもつかないが、ようやく気が付いたのだ
ニンゲンの為に、ニンゲンの為だけにポケモンを犠牲にしようとしていた。
…いや、してきた
新たな命は、戦いの道具として利用されようとしている
だから研究資料全部持ち出して、逃げたのだ
新たな命を作る施設を、俺の可愛い手持ちに指示して破壊してもらい、逃げ出した
研究所の外に出てからやっと気が付いたのは、俺のやっていた研究は世間でも認められないものだったこと
間抜けなことに、本当に今まで気が付かなかったのだ
だから警察にも相談することは出来ず…
しかし、組織に入らぬ人は弱い
何処でもいいから自らを隠せる場所に行かなければ…
俺と持ち出した資料が見つかってしまえば、また罪もない命が利用されてしまう
そう思って…逃げて逃げて、気が付けば…
プラズマ団に入団していた
☆☆☆
簡単に説明をば
・研究員
・20代くらい
・変に素直な性格
・目先のことしか手に付かないタイプ
こんなもんでせう?
[ 53/554 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]