誕生日と、仕事人!

「やぁ、こんにちは」

いつものバトルサブウェイに、今日は懐かしい後ろ姿が一つ

「…何してんだN」

どのトレインに乗るのか迷っていたのか、円形のサブウェイ内の淵に沿い、くるくる回っていた緑のフサフサに声を掛けたのだが

へにゃんと笑ったそいつは珍しく一人のようで

いつものジャローダ連れた友人はどうしたのよ

聞く迄もなく察したらしいNがまたへにゃんと笑う

「今日は狂助に会いに来たんだ」

「狂助呼ぶな…って俺?」

自分を指差せば、コクコクと大きく首を縦に振るN

「一体何よ」

なーんとなく嫌な予感がするんだが

「トモダチの誕生日って何を上げたらいいの?」

あぁ、なんかピュアな目が痛い

「オタマロ達にも聞いたんだけど、あまり参考にならなくって」

君ならとても良い意見をくれるかなって思ったんだけども

と笑ったNに、メロリスとふぅすけが飛び付いていく

『狂助はねぇ、とぉぉってもぉぉ照れ屋さんだからぁ』

『物をあげたりするのも苦手だから、あまり参考にならないとボクは思うよ』

二人が何を言ったか知らないが、碌でもないことだろう

ほら、Nが笑ってやがる

「プレゼントとか考えるだけ無駄だと思うぞ」

あいつの一番欲しかったものはお前なんだし、それは叶ったんだから

「物とかじゃなくって、自分の思い出の場所に連れていってやるとか、そーゆーのが嬉しいと思うぞ、あいつは」

そう言ってやると、Nは不思議そうに俺を見つめた後、にっこりと笑った

「狂助、今すっごくやさしい顔してたよ」

その顔、そっくりだ

と誰かは告げず、嬉しそうに笑ったNの腕のなかで、メロリスとふぅすけが何故か誇らしげにしていた

『狂助はぁ、とってもぉやさしいよぉ』

『ボクらのトレーナーなんだから!』



☆☆
『すーっごい照れ屋さんだけどぉ』
『度が過ぎた照れ屋だけど!』

[ 48/554 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -