出会いの前に…

アタル君サイド



「イッシュに来て、けっこう経ったね」

隣でヒウンアイスを食べるボンちゃんを見上げる

大きな体に大きな目

それが僕に返事するように身を寄せるから、嬉しくなって笑う

やっぱり女の子は、みんな甘いものがよく似合うね

僕もアイスを舐めながら、遥か彼方を見つめる

「さっき電話したんだけどね、兄さん達は、この次の街で働いているらしいよ。早く会いたいね」

ね、マツリ。と反対側に言うと、カゴの実が頬に押しつけられる

なんだろ、彼と出会ってからカゴの実によくキスされるよ

ヒウンアイスはお気に召したのか、片手で食べながら片手で僕を押し退ける

「痛い痛いよマツリ、え、なにボンちゃん」

カゴの実を取り上げると同時に、ボンちゃんに抱き抱えられる

マツリはアイスだけ食べて何かを伝えるように鳴き、ボールに早々と戻る

なんだか嫌な予感

ボンちゃんは無言で腕を畳み、まさに離陸体勢

「ぼ、ボンちゃん…早く会いたいとは言ったけどね、言ったけどさぁぁあぁぁぁああぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁ……」

暴風に煽られ

僅か20分後にライモンの地を踏むことになるとは誰も思わない

☆☆☆
「なんてことがあったんです、ノボリ兄さんクダリ兄さん」

「アタルの話、なんかどこかで聞いた気がする!」

「狂助様に機材運びをお願いした際に、何度か似たような状況を目撃致しております…」


☆☆☆
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アタル君と狂助君が出会う日のオマケ

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