苦労してるね、仕事人!

「僕クダリ!狂助、明日手伝ってくれる?」

「ボス…主語下さい。」

そんなやり取りが昨日のこと

本日もバトルサブウェイに足を運ぶ俺の後ろに、オズが続く

今日は列車点検の日で、バトルに使用されるためメンテナンスも慎重かつ繊細なものとなる

1日かけて点検が行われ、もちろん運転は休止

運休ということは当然仕事も出来ず駅員も休みである、の、だが

「狂助ごめんね、人出が足りなくて」

お互い制服姿で人の居ないサブウェイ内を歩く

「いえ、今日は予定が無かったので。それで、何を?」

「カノコタウンまで、荷物運び」

あれ。と指差された何かの道具達の用途は不明だが、結構の量で小さな山となっている

確か、君アーケオス持ってた

そう続けたクダリさんに、口の端が引きつった

「もしかして、飛びますか?」

にぃぃと開いた口元を見ながら、静かに絶望を覚える

飛ぶんですね

『顔、引きつってるぞ』

心配そうに鳴いたオズを振り返る余裕は無かった



地上に出てアーリズと、荷物運びと聞いてから友人に頼みパソコンで送ってもらったサザンドラをボールから出す

『……こんにちは』

「悪いな、サザンドラ。手伝ってくれるか?」

三つの首で律儀に頷くサザンドラはちょっぴり可愛い

「このサザンドラすごい良く育てられてるっ!狂助の子?」

「前にサブウェイのマルチでペア組んだ友人の手持ちです」

興奮気味なクダリさんに抱きつかれて困ったように目尻を下げたサザンドラには悪いが、やっぱり可愛い

「さて、アーリズ、頼むからゆっくり!けしてアクロバットなどしないように頼むぞ!」

『クスクス、OK!マスターは恐がりだからね』

その3秒後、俺の悲鳴がライモンシティに響き渡る事となる

「ちょっとまて急上昇もダメに決まってぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁ…!!」


☆☆☆
「クダリ、先程狂助様の悲鳴が聞こえた気がしたのでございますが…」

「あ、ノボリ!狂助あそこ」

「…………。もしやあの空の点でございますか…?」

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