所謂残党、仕事人!
戦闘列車発車ベル以上にけたたましい音
続いたアナウンスは、友人がけちょんけちょんにして王様までなくした組織の名前を、慌てて吐き出した
『プラズマ団が現れました。電車は近くの駅で停車します。駅員は直ちに乗客の安全を確保、誘導を…』
「どういうことよ。」
とりあえず、アーリズをボールからだし警笛を鳴らす
「お客様、走らず落ち着いてください。私達が出口までの安全を保証致します。どうぞこちらへ!」
周りの駅員も誘導を初めて、ゆっくりと人が動きだす
アーリズに周りの様子を見ておくように伝え、ホームから階段を上り離れていく
幸い、こっちの駅にはプラズマ団は来てなかったようで、誘導はあっさりと終わった
『マスター、ホームに誰か残ってないか見にいく?』
「あぁ、一応な」
『OK』
先導するように飛ぶアーリズについて、上ったばかりの階段を下る
『マスターマスター、誰もいないみたい』
先に一回りしてくれたらしいアーリズが鳴く
「そっか。じゃあ俺等も」
「コロモリ!ねんりきっ」
ガツン。と嫌な音がした
俺の頭から。しかも熱くてヌルヌルするから、血が出てるか
見えない力で柱に縛り付けられた俺と、地面に落とされたアーリズが見える
その先には、新未来でも流行らないだろうファッションのプラズマ団
「…いっ!…ひぃふぅみぃよ…あー俺だけのためにパーティーですか?」
「サブウェイマスターと戦闘駅員、あと狂助とか言う奴に気を付けろとの命令でな」
「狂助呼ぶな」
…てか、10人は多いだろ。と口の中で転がす
しかしこれほどまで弱いとは…とか続けるプラズマ団に見つからないよう、なんとか動いた指先で一つのボールに触る
音もなくボールから出た白い小さな体は、柱の影にすぐに隠れて見えなくなった
「さぁポケモンを解放するのだ!」
プラーズマーの合唱を聞きながら、周りを見る
アーリズは動けないらしいが、こちらを見て小さく頷く
とりあえず、時間稼ぎするか
「解放解放ってさ、自分等が解放してから言えよ。
拳銃突き付けながら『おまえがそれを捨てたら俺も捨てる』って言われて出来るかよ、それと一緒だ」
「なんだと!?」
なんだかヒステリックに食い付いてきたな
「第一、Nも居ないし解散したんだろ。なにはしゃいでんだ」
「解散などしていない!N様もどこかで復興を祈り…」
「だからさ、Nは俺の友人とデートの毎日だっつの」
友人の真っ黒な笑顔が浮かぶようだ
Nは僕のものだからねっとか台詞が付いてきた
Nは不思議なくらいピュアな笑顔でそれ聞いてそうだけど
プラズマ団を煽りつつ彼らの後ろに目を凝らす
プラズマ団の後ろに回り込んだ、白い小さなそれは、自慢の尻尾を持ち上げて合図してきた
「ちなみに、おまえらはこれから警察とデート予定☆電磁波だ!」
メロリスが持ち上げた尻尾から、放電のように広がる光
半数以上が痺れて膝をつき、アーリズと俺を縛っていたコロモリも地面に落ちた
ねんりきから解放されたアーリズが羽を伸ばし、宙に舞う
痺れてない奴らが逃げ出そうと走るのが見えたが
「やられたら倍返し!アーリズ、大地の力!」
『OK!』
揺らいだ地面に絡めとられ、一人また一人と倒れていく
「形勢逆転、多勢に無勢、因果応報…穴があったら埋めてやるよプラズマ団」
ボールから登場した手持ち全員に、プラズマ団女子がひっ。と小さく声を上げる
「可愛いんだから普通にトレーナーやってりゃいいのに…」
まぁ今回は逃がさないけど
俺の顔を見たふぅすけが
『楽しそうだね』
とニコニコしながら一鳴きした
遠くに聞こえだした足音と、警察到着を伝えるアナウンスを聞きながら、ため息
「オズ、頭痛いしくらくらしてきた」
『…乗るか?』
「是非」
頑張ったな。とか言いそうな顔で見守られながら、オズの背中に飛び付く
何はともあれ、平和が一番
☆☆☆
「狂助様、大丈夫でございますか?」
「狂助、大丈夫だった?…頭から血出てる!?」
「なんと!直ちに手当てでございまし」
「……ノボリさんクダリさん、落ち着いてください」
頭に響きます
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[mokuji]
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