友達の友達と、仕事人!

ポケモンが話すわけないだろ。とか、言うトレーナーだって居るけど

そうやって後ろ指を指されても、堂々とポケモンと話を続ける友人が、影でこっそり泣いていたのを知っている

だからその友人が連れてきた奴が、こいつの理解者だと知って、安心した

「よろしくな、N」

珍しく早出で、昼過ぎに仕事が終わる日だったため、友人と約束をしていたのだ

「Nもポケモンとはなしができるんだよ」

「へぇ、羨ましいな」

この友人が来たとき、俺の手持ち達はいつもより喋る

それが少しだけ羨ましいやら悔しいやら

友人に群がる手持ち達に、ジャローダが威嚇している

「君のトモダチ、みんなよく育てられてるね、狂助」

「ありがと、N。でも狂助呼ぶな。」

ボールから出た手持ち全員、友人とその手持ち達と楽しそうに何やら話している

Nと近くのベンチに腰掛け、その様子を見守る

今日はコンテストか何かあるのか、人が多い

「あれ、みんな狂助のこと話してるんだよ」

おもむろに口を開いたNは、ニッコリと笑っていた

「?」

「オズ、だったっけ。君のパートナーのオノノクス」

君のおかげで強くなれた。そう言ってたよ

Nは目を細めてこっちを見ている

「Nは、あいつらが…良く育てられてるって言っただろ?」

「うん」

「あいつらが努力して、俺のために育ってくれたんだよ」

そう言うと、少しだけ驚いた顔をしたNは、そっか。とまた目元を和らげた

「まぁ、あの不器用な友人をよろしく頼むよ」

あいつ、俺と幼なじみ以外のトモダチ殆どいないから

言い逃げしてオズの背中に飛び付く

がっしりとした体はまったく揺らがず、驚いた様子もない

『重いぞ』

「俺を省きにしたお話は楽しかったかこのやろう」

「仲間外れにしたから拗ねた?」

「うるさいわボケ」

『みんな、お前の話をしていたんだ』

少し呆れた表情のオズに、同意と思われる全員の声

「君はポケモンと話が出来ないって落ち込んでるらしいけど」

君たちの会話、殆ど合ってるよ

優しく笑った友人の顔は、Nの笑みと似ていた


☆☆☆
「ところで、俺のどんな話をしてた訳」
『秘密だ』
『内緒だよぉ』
「…つれないな」
話しが出来ないから、話せないとは思わない
だって現に友人は話が出来るから

☆☆☆
生意気だけど自分より他人を思いやれる
信じられると思えば信じる
それが狂助君

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