みんなとお帰り、終焉の蛇睨み
泣き腫らした目で久しぶりに戻った故郷
Nも僕も目は真っ赤
僕に到っては、でこピンが効いて額も真っ赤。ユンゲラーみたい
そんな状態でレシラムの背中から降りて帰還した僕を待ち受けていたのは
背後に迫力満点に睨みを利かせるダイケンキを携え仁王立ちしたチェレンと、泣いて抱きついてきたもう一人の幼なじみのベルだった
後ろに降り立ったNが笑っているのはなんでかな
…ゼクロムはともかく、レシラム。なんで君も笑ってるかな
「ハルトってば本当に君は何を考えているんだ僕らがどれだけ心配してベルだって泣きだすしNも君を探すとかいってメンドーだしどれだけ大変だったかちょっと聞いてるの?」
「はい。スミマセン…」
「大体君はねハルト…」
ベルにホールドされ身動きが一切取れない状態でお説教を受けること数分
「ほんとぉによかったよぉぉぉ」
と本格的に泣き出したベルと、お帰り。と呆れたように笑ってくれたチェレンがぼやけて、僕もまた泣いてしまった
遠くでアララギ博士が苦笑しながら見てるとか、日が暮れてきたとか、ここは外だとか忘れて、ボールから出てきたジャローダに縋りついて泣く
「ふふ、今日は泣き虫だね。ハルト」
「もう、勝手にどっかに行くなんてバカな真似しないでくれる?面倒臭いから」
「今度は、どこに行くかだけでもちゃんと教えてね」
しっかり一言ずつ言うこと言ってからだけど、みんながそろって
「おかえり。」
と迎えてくれるから
僕は遠回りしても、帰ってこれるよ
「ただいま。」
☆☆☆
『ハルトと僕の絆には負けるけど、トモダチってのも良いんじゃない?』
「放っておかれて拗ねたのかい?ジャローダ」
『黙りなよ、N』
…やっぱり君の中の一番が僕でないなら気に食わないし
とりあえず、こいつは気に入らない
けど、君のためなら、僕は蛇睨みをまたの機会まで堪えておこうと思う
☆☆☆
彼らの物語はひとまずこれで終わり
ハッピーエンドはお約束ですゆえ
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[mokuji]
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