チャンピオンと味方と逃げ道

ウルガモスの背中に乗って、ポケモンリーグに到着したのが、朝日が昇る頃

それから、張り切って頑張ってくれた手持ち達のお陰でポンポン勝ち上がり

「こんにちは」

「あぁ、また会えると思っていたぞ、ハルト君」

僕らはチャンピオンの前に立っていた

「その節はどうも」

「いやいや…」

しばらく談笑が続く

穏やかで、それでいて芯のある態度にこの人がチャンピオンなんだなと感じた

ボールを握ると、汗で少し滑る

「さて、お話ばかりでは何ですし、そろそろバトルを」

「あぁ、そうだな。…と言いたいところなんだが、すまないハルト君」

何故か苦笑するチャンピオンが後ろを振り返り、それを目で追って
柔らかな緑を捉える

「やっと見つけた」

声が響く

いつか僕が言った言葉だったそれは、僕じゃない唇から届いた

思わず落としたボールからジャローダが出てくる

そんな、そんな…こんな事って無い

「ハルト、昨日からチャンピオンは僕なんだ」

赤い髪の放浪のチャンピオンの後ろから、鮮やかな緑が近付いてくる

カツン、カツンと迫る足音から逃げようと走りだす瞬間、ジャローダの尻尾に片足を取られ床に不様に転がった

君は僕の味方じゃないのか、ジャローダ…

有無を言わせない圧力を放ちながら

「さぁ、バトルしようか」

と笑った彼の手から黒い竜が現れて、僕の逃げ道を塞いだ

「僕は怒ってるんだよハルト…理由はわからないけど、勝手に消えちゃったトモダチに対して」

だから、

「逃がさないよ」

そう言い放った彼は、これ以上無い笑顔なんだけど

多分逃げたら殺される


☆☆☆
説明すると
ハルト「そうだ、リーグへ行こう」
と同時刻
N「ここで待っていたら、ハルトに会えるかな」
とチャンピオン撃破



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