イケメンと家族

「やだわハルト!もぅ、こんなに格好良い友達だなんて!いつも話に出てたからどんな方かと思ったら」

口元に手を当てて頬を赤く染め、いつも電話で話すより高い声を出すママ

なんだか興奮しているけど

「息子が久しぶりに帰ってきて、玄関開けた第一声がそれだなんて……N、挨拶しなくていいから」

腰のボールがカタカタ震えている

「ジャローダ、しばらくミネズミとヨーテリーだねっ!やったねっ!」

『クスクス。ごめんって』

他のボールもカタカタ震えている

皆をボールから放り出すと、腹を抱えて地面を転がっていた

「まったく。」

『うふふ、ハルトに似て良いお母様ね。若くて綺麗』

「それにしては笑ってるねレシラム。ところで、君のお母さんってどんなんだったの?」

そもそも、伝説に親はいるのだろうか。不思議

『そうですねー。私が産まれたときは、もぅ一人ぼっちだったのでわかりません』

「ちょっとあれなこと聞いちゃったかな」

呟きは、早速バトルしだしたズルズキンとダイケンキが生んだ爆発音によって都合良くかき消されたらしい

レシラムはクスクスと楽しそうに笑って始まったばかりのバトルを見ていた

「ちょっとズルズキンもダイケンキも、まわりを壊しちゃダメだよ」

『ああ。』

『わかってるってー』

ダイケンキは軽い返事をしながら冷凍ビームを放ち、ズルズキンはそれを躱してドレインパンチをくりだす

相変わらず良い動きだ

『ねぇ、ハルト。Nとハルトのママが家に入ったけど』

「…息子放置ってなんなの」

ジャローダに促され、手持ちにも声を掛けてから玄関を跨ぐ

久々に帰ってきたのに酷いよね



昼食後、僕の部屋でくつろぎながらお腹をさすって

「ハルトのママって、料理が得意なんだね」

食べ過ぎちゃったよ。Nはと笑った

「今日は特別張り切ってたみたいだしね」

僕がチェレンとベル以外のトモダチをつれてきた事なかったから

窓の外を見る

ジャローダ以外の手持ちは外でまだ騒いでいた

そういえば、あの子達は僕の家に来たのは初めてだ

「ハルト、君の家は暖かいね」

視線を戻す

目を細め、僕を少し眩しそうに見ているNと視線が絡む

彼の肉親で知っているのは、あの大男だけ

まともな親子関係なんて築けてないだろう

「そう思うのも最初だけだよ。そのうちこっちが当たり前になるんだから」

『こんな賑やかなのは性に合わないけど』

僕はハルトだけが居れば良い。と言ってくれたジャローダにもたれ掛かると、重いと怒られた

「羨ましいな」

「何言ってるの」

君だってこの家の一員なんだけど

僕が言って、Nは笑う

そっか、と

まるで太陽でも見るような目をして


☆☆
眩しく細め暖かさを捉えた目は
まるで笑むようにひどく優しい

[ 16/554 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -