七夕をした

今日は年に一度、織り姫様と彦星様が出会う日

アーティ君は四角い紙に一生懸命何かを書いていた

クレヨンで色とりどりに塗りつぶされていく紙…んー、すでに前衛的

「さーさーのー葉ーさーらさらー♪」

「アーティ君、願い事書いた?」

「ぬぅん。書いたよー」

ご機嫌で鼻歌を歌うアーティ君まじ天使!

ニッコリ笑って答えてくれる可愛い天使の手元をのぞき込むと、隠されてしまった

「なんて書いたの?」

「くすくす、ナガレには内緒」

「ヒドい」

「ひどくないよ」

頬を膨らまし不服アピールをしていると、奥の部屋からハハコモリが笑いながら笹を持ってきた

ハハコモリは先に書いて飾ったんだとか

『くすくす、さぁ短冊を飾りましょうか』

糸を吐いて、アーティ君から渡された紙をてっぺんに飾るハハコモリに制止の声をかける

「待ってハハコモリ!フシデは何か書く?願い事ある?」

『ナガレとずっと一緒にいれますようにって書いて』

「ふ、フシデ…!!」

色違いのフシデの可愛いお願い事に、ものすごい勢いで頬がゆるむ

なにそれ可愛いし嬉しい!この子天然タラシなんじゃなかろうか!

アーティ君といい、皆優し過ぎやしませんか?

一人ニヤニヤする私の顔をのぞき込んで、アーティ君は

「ん?フシデはなんて?」

と聞いてくる。アーティ君はフシデの言葉がわからないけど、フシデの言葉に耳を傾けようとしてくれる

とても優しい子

「うふふ。内緒だよねー、フシデ?」

『うん!』

大きく頷いたフシデを見て、先ほどの私のように少し楽しそうに頬を膨らませて

「ぬぅん、意地悪!」

とアーティ君が言う

「お互い様ですよーだ。ね、ハハコモリ、フシデ」

『くすくす、そうですね』

書き終わった短冊をハハコモリに飾ってもらい、賑やかになった笹を外に運ぶ

夕日もすっかり沈み、外は夜の帳が降りていた

「もう少ししたら天の川見えるかな」

「ぬぅん、きっと見えるよ」

フシデを抱いて見上げた空に、ぽつりぽつりと星が浮かんでいる

ハハコモリは笹がまっすぐ立つように糸で結び付けてから、晩御飯にしましょうかと声をかけてくれた

それに頷いてからもう一度空をみる。今日は雲も少なく、織り姫様と彦星様はゆっくデート出来るだろう

「願い事、叶うと良いなぁ」

きっと叶うよ、と笑うアーティ君と手を繋ぎ家に戻る

フシデもきっと叶うと思う。と笑ってくれた



☆☆☆
「ナガレとずっと一緒にいれますように」
「世界平和、リア充爆発。アーティ君とフシデが幸せでありますように。ハハコモリや家族ももちろん幸せでありますように。」
「早くけっこんしてナガレがぼくのものになりますように」
「家内安全、無病息災」

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