砂漠の果てで
一面に広がる砂地に果てはなく
青々とした空を照らす太陽は普段より距離が近いのではないかと錯覚してしまうほどだ…ここが異国でない保証は何処に落ちているのか…
どうせ砂地と太陽があるなら海がよかった
クソ暑い中わざわざ長袖の服を着て、スカーフにマスク、ゴーグルとアホみたいな格好で歩く
別に一人我慢大会をしているわけではない
遺跡調査のためにリゾートデザート…つまりは砂漠横断真っ最中なのだ
砂漠横断の注意を述べておくと、肌が出ていれば照りつける日光で火傷をしてしまう為暑くとも半袖は禁物、黒い服は熱を集めるため死にたくなければ回避すべきだ
マスカットは特殊な保護膜で身を守っている種族のためか、先程から元気に飛び回っている
…ねぇ、その元気分けてくれる?
乾燥し過ぎて汗もすぐに蒸発してしまうらしく、こまめに水分を補給しながら砂を踏む
砂漠の中でまでバトルを挑んでくるトレーナーに泣きそうになりながら方位磁石と地図を睨む
トレーナー達には悪いが、戦意喪失の俺と対称的にやる気満々だったレントラーの前に沈んでいただいた
タイプ相性も砂地もなんのそので、ほぼ一発で相手を伸していく姿は物凄く活き活きとしていた
ちなみにだが、クリームは体の表面に砂が付くと中々取れず肉体の維持がしにくくなってしまうためボール待機、焼林檎は相変わらずN様のところだ
俺悲しい…
『ーーー!』
「おー、見えたか」
目印も何もない砂漠でたどり着けるか不安であったが、道を間違うことなく進めていたらしい
方位磁石様々だ
目を凝らし、遠くに見える風化しつつも佇む建物…古代の遺跡を確認する
その入り口を囲むように、ポケモンを象ったと思われる石像が並んでいた
どうやら目的地で間違いないらしい
砂に足を取られつつも喜びでテンションの上がった俺を止められる物は何もない!
両手を上げてバンザイしているらしいマスカットと共に遺跡の入り口に駆け込む
建物の中は照りつける日差しと風を遮っている為か、先程の暑さと比べ肌寒いくらいだった
少しでも奧に行くと光源が無くなるであろう
「マスカット、ここの奴らにはシャドーボールをぶつけるんだぞ」
『---!』
時折聞こえるデスマスの鳴き声の中、ゴーグルとスカーフを外しながらパートナーにそう指示を出すと、元気な返事が帰ってきた
灯りも窓もない遺跡内には少しも光が無い為、慎重に進まざる得ない
片手を壁につき、道を見失わないようにして歩く…必ず出口と入り口の有る迷路の場合、片手をずっと壁から離さなければいつかはどちらかを見つけられるのだ
どれだけ迷ったとしても、出口と入り口までは一つの線で結べるものなのだ。…わからない人は長い紐を持って迷路を抜けてみればいい
片手に収まる程小さな懐中電灯で進むのは結構怖いのだが、下手に明るくするとここに住むポケモンの怒りを買いかねない
「大体、こんなとこに伝説のポケモンなんていんのかねぇ?」
俺達があんな過酷な砂漠を越えて来たのは、お約束通りプラズマ団の活動の一環である
なにやら古い文献によればかつてこの遺跡はその当初の王と関係が深い場所であり、祭壇にて伝説のポケモンを奉っていたとか
伝説のポケモン…恐らくこの国の神話に出てくるレシラム、ゼクロムに関わっているんだろうと推測される
その伝説のポケモンに関わっているからといって、プラズマ団は一体どうしようというのか
詳しいことは下っ端に伝えられるはずもないため、ただ割り振られたことをこなせばいい
さぁ、とりあえずは探索だ
☆☆☆
久々過ぎてカナタが迷子←
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[mokuji]
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