Nの話
「Nだなんて、機械的な名前だ。そう思わないかい?ジャローダ」
『……。』
相棒に語り掛け、緑の体にもたれかかる
ボクの頭のうえで、ジャローダの息遣いが聞こえる
「N」
調べてみて当てはまりそうだったのは
・自然数の集合の意
・Yの反対。否定の意(NO)
・チェスのナイトの意
どれにしたって、名前に関係のない言葉遊びにしかならないかもだけど
子供のまま体だけ成長したような
ただ純粋に残酷に真っすぐな人
早口で、まるで他人を拒むような話し方をする人
「ポケモンだけが友達なんだとよ。呆れるな、ジャローダ」
『なぜあの男を気にする?』
「何故?…どうしてかな」
僕に追い掛けてこいといった彼は、相棒と良く似たやわらかな緑の似合う人
何も映してないみたいな目で笑う人
その人は
「あのプラーズマーな団体のなかでさ、あれだけ純粋なのってさ
卵から産まれたばかりのポケモンみたい」
『?』
「きっと、大事にされてたんだ。輪の真ん中で、何も見ないように聞かないように。まるで籠のなかの鳥のように」
純粋で純粋過ぎて、追い掛けるのも躊躇うよ。正直
ジャローダが僕の言葉を聞いて、鼻で笑った
『何を迷っている?籠のなかにいるなら、籠を壊せばいい!』
「ぷっ。あはは!そりゃそうだ、手伝ってくれるかい?」
見上げたジャローダは、自信にあふれた笑顔だった
『パートナーの頼みとあれば』
気に入らない男のためでも手を貸そう
「さすがパートナーだよ、ジャローダ」
さぁ、あの人の手を取りにいこう
人間の友達第一号として
☆☆
もばげーから誘拐
何回消されたか…
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