きみがために
マスカット目線
カナタと森をよけて、大きなはしについたの
カナタはなんだかたのしそうに、上とか下とか見てた
すっごく大きなはしだから、全部が見えないくらい大きな大きなはしだから、見ていてとてもおもしろいとおもうの!
ときどき、大きな音を立ててくるまや、ふねがすすんでるのが見えて、おもちゃみたいなんだよ
カナタははしの下をのぞき込んでわらってて、すごく楽しそうなの
ぼくもね、いっしょにみようと思ってたらね、みなれた赤いひかりが落ちてきたの
そのひかりはね、ぼくがボールから出るときと同じだったの
ボールから出てきた大きなポケモンは、カナタを見つけて怒ったかおしたの
カナタは気が付いてないからね、どうしようかと思ってたら、ポケモンがカナタにこうげきしたの!
なんでおれをうみだした
なんでおれを捨てたんだ
どうしておれを生かした
こたえろ!!
そうやって言いながらね、カナタに噛みつこうとしたんだ
ぼくはカナタが指示しなくても、きあいだまをうつつもりだったの
カナタをきずつけるなんて許さないの!
いかくじゃなくて当てるつもりだった技をよけられちゃったけど、カナタがありがとって言ってくれたから、気にしないでって言ったの
カナタにね、答えろ答えろって唸るポケモンにきあいだまを投げたらじゃまするなって言われたけど、じゃまするよ!
だってカナタはだいじなパートナーなんだから!
「レントラー…なんでこんなとこに?」
とふしぎそうにしているカナタは気づいてないけど、上からいやなのが近付いてきてたの
「おや、かんどうのさいかいはいかがでしたか」
だなんてわざとらしくきいてきたエヌのお父さんは、いやなかおしてるの
まえね、カナタにないしょでエヌと会ったときにね、エヌがおしえてくれたんだよ
あのひとは、ぼくのお父さんなんだって
カナタがいってたけど、お父さんってのは、ちがつながってるらしいの
ちがつながってるっていうのは、にているものがおおいんだって
でもでも、エヌとこの人はぜんぜん似てないの
カナタは怒ってるみたいで、こわいかおしてた
なんだかムズカシイことを2人は話していて、時々レントラーがイライラしてうなってた
よくわかんないけど、カナタをおこらせたりいやな気持ちにさせるのは許さないの!
何かをガマンするみたいに、ゆっくりことばを話すカナタはピリピリしてた
イヤなことたくさん言われても、まっすぐ前を向いていて
ぼくみたいに生まれてきたポケモンの話をきくとき、話すときにカナタは苦しいかおするの
でも今日はまっすぐまっすぐ前を向いてたの
カナタ、カナタ、ぼくは生まれたことうらんでないよ?うれしいと思ってるよ?
レントラーは怒ってるけど、ぼくは怒らないよ?クリームややきりんごだって怒らない
必死にぼくは伝えるのにね、カナタはあきらめたみたいに笑うの
カナタにいやなことたくさん言ってから、サザンドラの背中に乗ったでかいのに当てるためのきあいだまをじゅんびしてたら、カナタに止められちゃったの
なんでなの!なんでなの!カナタにひどいこといっぱい言ってカナタにかなしいかおさせたのに!!
イライラして、サザンドラめがけてきあいだまを投げたら、もう少しであたりそうだったのにそれちゃった
あのレントラーは、カナタのことなにもわかってないの!
あのせまい世界から出してくれて、おやにもパートナーにもなってくれたんだもん
あれ、ぼくカナタとちがつながってないけど、おやこなのかな?エヌとあのおっきいのといっしょ?
でも、ぼくとカナタと似てるって、まえにクリーム言ってた!
みんなね、カナタのことわかってたら、カナタのこと好きになるに決まってるもよ!
だってカナタはやさしくてつよくて何でも知ってて、ぼくらのことまもってくれるんだ
あのバトルばっかりさせられるばしょをこわして、いやなことはしなくてもいいって言ってくれたもん
だからぼくはカナタをまもるよ
カナタをいじめるのは許さないの!
☆☆☆
作ってくれた命
作られてしまった命
どうして作ってくれたの?
どうして作ってしまったの?
僕と一緒に歩んでいこうね!
俺は……
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[mokuji]
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