散歩した
アーティ君が珍しくお家に来ないとのことなので、ヤグルマの森まで散歩に来てみましたよ
時折ひょっこり顔を出すオタマロやドッコラーに挨拶をしながらてくてくと歩く
時折吹く風が髪を撫でて気持ちが良い
柔らかな日光に映えて、目に入る限りの緑が生き生きとしていて思わず大きく息を吸い込んだ
草木の香りが肺を埋めていくのも気持ちがいい
流石に様々なポケモンが数え切れないほど生きている世界だけあって、自然が多く未開の地も多い…開発しようとしたがポケモンの住処を荒らして攻撃を受け中断した、なんてニュースもよく聞くけれど
ヤグルマの森はたくさんの虫ポケモンや草ポケモン達に守られているんだろう
あ、散歩にはお約束でハハコモリが着いてきてくれていますので安心です
ちなみにハハコモリは、この前聞いたら70レベル位だそう…強いねっ
「ハハコモリ、小道に入っていっても良い?」
『もちろん良いですよ、ナガレ。行きましょうか』
許可を貰ったため、きちんと塗装された道から脇に逸れる
大通りも良いけど、人が少なく静かな小道の方が好きだ
ハハコモリがいないと野生のポケモンに襲われたときに対処できないため、彼女がいるときしか入れないけど…
獣道に近く、木々が少し避けた短い草が作る道を歩いていると自分がポケモンになったみたいでわくわくする
段々と楽しくなってきて早足になる私の後ろをにこやかに続いていたハハコモリが、急に足を止めて呼び止めてきた
少し戻ると、耳を澄ましているのか目を閉じている
『何でしょう…なにか聞こえる』
なにか良くないものが聞き取れるのかそわそわしているハハコモリの手を引いて
「どっち?連れてって?」
と頼む
たぶん、声の方に行きたいけど私を置いていくわけにはいかないと考えてたんだろう
なにやらハハコモリが考え込んだのは一瞬で、すぐに抱き抱えられた
周りの景色がぐんと遠退いて、眼前の緑が目まぐるしく色を変える
いつもニコニコ子守しているハハコモリからは想像もできないほど速い動きだった
小さな小川や段差などの障害物も彼女の足を止めるには至らないらしく、軽々飛び越えていく
…案外簡単に実況しているが時折感じる強い浮遊感に内蔵が飛んでいきそう……前世ではジェットコースターが苦手だったと補足しておこうか!
風のような走りが止まる
私を降ろしたハハコモリは牙を大きく剥き出しにし威嚇したヨーテリの前に立ちはだかり、言った
『ナガレ!指示をください!!』
と
☆☆☆
かっこよく決めたけど、私はとっても吐きそうです
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[mokuji]
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