ツン毒系お仕事ガール

私はポケモンセンターに勤めています

残念ながらジョーイさんじゃないので、ナース服は着ておりませんが

ポケモンとトレーナーの絆を強くする、所謂ポケモンアドバイザーをしております

ポケモンの育成に関することから、タイプ別の接し方、ポケモンフーズの種類まで、さまざまなトレーナーの悩みを解決するんです

「だからねクダリさん。私は人間に興味ありません。兄弟喧嘩の仲裁が仕事じゃないんです」

毎回仕事を邪魔しにきやが…こほん、見に来てくださるクダリさんは、私によく兄弟喧嘩の仲裁を頼みに参ります

私はポケモンとトレーナーを助ける仕事をしているんですけどね

「期間限定のプリン食べちゃったからかな」

「原因わかってるじゃないですか。あ、タブンネいやしの波導。冷静に話し合って下さいな」

私はポケモンセンターの一角をお借りして仕事をさせてもらっています

私の席の前に座るクダリさんにジュースを持ってきてくれたタブンネに指示を出し、ポケモンと喧嘩しそうだったトレーナーにいやしの波導をあててもらいました

うるさいから騒ぐんじゃ…こほん、落ち着いて話し合うことは理解の一歩です

「前、寝てるときに顔に落書きしたから?」

「何してんですあなたは。いや、炎タイプはお風呂入れちゃダメです、ドライシャンプーとか、布で拭いてあげて下さい」

炎タイプを水に沈めるとか常識的に…こほん、毛のある炎タイプの子にはブラッシングも有効ですので是非

「シャンデラ勝手に借りてきたから?」

困ったように私に挨拶をするシャンデラを撫でながら、クダリさんを睨みます

ジュースを飲み干してストローを齧る子供っぽい動作が妙に似合いますね

「ノボリさんに返してあげて下さい。困ってますよ、シャンデラ。え、棲息地?この地図に…」

リグレーの棲息地とか一ヶ所だけだ…こほん、捕まると良いですね

「あと、仕事中サブウェイでかくれんぼしたからかな」

「今度ノボリさんにレントラー貸してあげましょうそうしましょう。はい、電気タイプ用ブラシはこちらです。帯電する前にブラッシングをこまめにしてくださいね」

呼ばれたと思ったのか、奥から走ってきたレントラーを撫でてあげます。超可愛い

レントラーは障害物を透かして物を見ることが出来ますから、すぐに働かないクズ…こほん、もといクダリさんを見つけるでしょう

「…ナガレ、キミ忙しいね」

「そう思うなら帰って下さいよ。オノノクス、龍の舞から逆鱗。ポケセンで暴れないでくださーい」

常識もなくポケモンセンター内でバトルを始めたトレーナーを沈めて差し上げる

どちらのポケモンがすぐれているも何もトレーナーがクズじゃあどんぐりの背比べにもなりゃぁしないってことにとっとと気付け

そして育て方が雑。私のポケモンの足元にも及ばねーから帰れ…こほん、お帰りくださいませ

私の表情をずっと観察していたクダリさんが

「ナガレ、見た目可愛いのに相変わらず中身残念」

と言って下さいました

「知ってんならとっとと帰れ」

まわりに人が居ないのを確認してからですが、そう伝えると、いつもニヤニヤゆるゆる緩んだ頬をさらに緩ませて

「でもナガレ、アドバイス的確。何だかんだでノボリとの仲直り手伝ってくれる」

「……。」

「だから好き」

満面の笑みが、そこにありました

一瞬、世界に二人きりしか居ないと錯覚したくなるほどの…

「ノボリさん、クダリさんまた来てますよ」

認めたくなくて、おもむろに取り出したライブキャスターで彼の兄に連絡いたしました

クダリさんが大変慌てております。ざまぁみろ

「ナガレひどいっ!」

見るからにショックですと言わんばかりの彼に、

「またこれば良いじゃないですか」

とだけ言って差し上げました

次を期待しているような言葉を吐いた自分に、頬が若干熱を帯びたような気がしました。が、絶対絶対気のせいです。

「っ!!また来るね、ナガレ!絶対来るね!」

ぱぁっと表情を明るくした彼から目を逸らし、手を振ります

視界の端で、彼が大きく腕を振るのが見えました

「私みたいなんが好きとか、すっげー物好き」

なぁレントラー?と呟くと、私に擦り寄ってくれました

「オノノクス、逆鱗」

とりあえず、また騒ぎだしたトレーナーを沈めます

また明日も、彼は来てくださるんでしょうか。

どこか期待している自分に呆れつつ、相談に来たトレーナーの相手をします

だからなんで炎タイプを水に沈めたがるんだ



☆☆☆
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ライモンのポケセンに居る
見た目は超可愛いらしい
カミツレさんと仲良しらしい


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