この先進め

ボクには兄弟がいる

双子の片割れのノボリと、妹、そしてボクの三人兄弟

妹はわかりやすいくらいノボリの事が好き

兄弟としてじゃなく、恋愛的な感情でノボリの事が好き

「ボク、見てて焦れったい」

「何がですかー?」

間延びした問いに、キミとノボリ。と答える

ノボリは今日仕事。ボクと妹の休みが一緒なのは珍しい

だって妹はノボリと休みを合わせるもの。

今日は珍しい、家に妹とボクの二人きりの日

外は大雨だから、外出するつもりもない。大雨の原因も傍にあるし

ソファーに並んでテレビを観ながら、隣に座る妹を盗み見る

ノボリは言わないけど、妹のことアイシテル。

産まれる前からボク達一緒だったから、隠していてもわかる。

「自分も焦れったいです」

「今日は小雨ちゃん」

「雨降り気分なんです」

「ノボリに振られた?」

沈黙。それは答えたくないって事だし、それが答えみたいなもの

妹は天候を操る特性のポケモン持ってる

雨降らしニョロトノの小雨ちゃんと、日照りキュウコンのクエン君

妹は機嫌が悪くなると小雨ちゃんをボールから出して、雨を降らす

だから、しょっちゅう家の周りだけ雨降ってる。仕事帰りとか、いい迷惑。

ノボリと二人きりになったあととか、良く雨降らしてる

すごくわかりやすいのに、ノボリはいつも頑なに無視する。いい加減諦めたら良いのに

「ボク、行きたくもない外食行ったりしてる」

「それは申し訳なく思ってますよー」

「早くくっついて」

「にぃさんはくっつきたくないって。」

ボクは近親相姦だとかなんとかに偏見ない。応援してる

でもいい加減少し面倒臭いもの

外食ばかりだとお金かかるし、仕事終わったらすぐ家に帰りたい。

「キミ、答え聞かないで1人で結論出すこと、いっぱい」

「……」

「ノボリに聞いた?」

妹は答えを先伸ばしにするし、ノボリはそれに甘んじる

いつまで経っても進展しない

思い当たる節が合ったみたいで、しばらく黙っていたけど

「否定されたら死んじゃいます」

だって

小雨ちゃんを抱き締めて唇を尖らしている

こんな顔みたら、ノボリだったら頭を撫でてあげてる

ボクはちょっとの間、拗ねた顔を見つめてから笑う

「否定されたら、顔が一緒のボクにする?」

「冗談。」

いつも飄々として適当な話し方なのに、すぐにスパッと切り捨てられた

「キミ、そーゆーの迷わない。だから好き。応援する」

ボクとノボリは双子で顔が同じ。でも中身は全然違うもの

もしボクが妹の想い人だったなら、ボクはすぐにOKって返事出す

ハグしてキスして、ノボリに報告してやるのに

ボクは妹と健全な兄妹にしかなれない

ノボリばかりズルいと思うけど、これはノボリと妹の問題

ボクだって大人だからわかってる

「でも、ボク焦れったい」

早くくっついたら、諦めれるのに

窓の外は、僕の心境みたいに強い雨が降っていた



☆☆☆
▲→ ←妹←▽
みたいな。
自分の気持ちも含めて、全部理解しているクダリさん

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