蓼食うなんとか
最近の上司の奇行をどうしたものか
今日も地下鉄のホームで電車を見送っていると
ぐにっ
「っ!モルフォン、いい?顔面のど真ん中狙って二重眼鏡の威力を発揮しろ」
まだ仕事中だってのにいきなりお尻を揉まれたため、
拘り眼鏡をかけた可愛い手持ちに指示すると大きく頷いてくれる
「待って待って!誤解!僕、ナガレのことちょっと過激に好きなだけ」
モルフォンの(たぶん脅しで)吐いたヘドロ爆弾を避けながら、必死に言い訳するクダリさんに悪怯れた様子はない
まぁいつものことだ
「そうですかわかりましたペンドラー久々に狩りの時間だよー」
天井の低いホームで少しだけ窮屈そうに現れたペンドラーに、お客様が一瞬だけどよめいたがすぐに収まる
常連さんは見慣れているからか少し笑っている。覚えていろトウヤ君め
「ごめんなさいごめんなさい許してナガレ」
白いコートを翻しながらペンドラーとモルフォンの攻撃を避ける彼に、とりあえず怒鳴る
「こっちだって駅員の仕事がまだまだあるんです!仮にもマスターでしょクダリさん、変なことしないでください!」
「ナガレ、職場だと冷たい!昨日ベッドの上で」
「わーついに妄想と現実の狭間に堕ちたか。デンチュラ、縛り上げろ」
「嘘!うそうそ僕嘘吐いた!!」
ニンマリと笑ったのは一瞬だけで、デンチュラに足を取られた彼はすぐに顔を青くして謝罪してくる
流石に動きを封じられたまま逃げるのは無理と悟ったらしい
「はぁ…」
ため息を吐いて、ちらりとクダリさんをみる
デンチュラが嬉々とした表情でクダリさんをす巻きにしている…あれは愛情表現だから大丈夫たぶん
モルフォンが眠り粉撒こうとしてたり、ペンドラーが触角で突いてたり、意外に楽しそうで何よりだ
なんだかんだで手持ちも懐いて戯れてるから困る…はぁ
「明日、休み一緒でしたよね。買い物付き合ってください」
セクハラしてくるし仕事の邪魔するし…嫌なんだけど嫌いになれない自分にため息が出る
「うん!うん僕付き合う!」
パァァッと花が咲くように笑ったクダリさんの帽子を取り上げ、被る
「デンチュラ、トウヤ君捕まえてきて。」
一部始終を微笑ましそうに見ていたトウヤ君が、一瞬で身を翻して遠ざかっていった
しかしデンチュラにかかれば時間の問題だ、ざまあみやがれ
ぐにっ
いつの間にか華麗に縄脱けしたクダリさんに回し蹴り!急所に当たった!
「まったくお尻触って何が楽しいんだか」
「ナガレのお尻柔らかいから…ごめんなさい」
モルフォンがヘドロ爆弾を吐いたが、止めるか否か
面倒臭くなって、放置して仕事を再開した
☆☆☆
セクハラクダリと虫好き駅員
ほら「蓼食う虫も好き好き」ってねwwwやかましわっww←
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[mokuji]
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