《寂しい》
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『ねぇ、白石』
「んー?何やー」
ただいま、放置プレイ中。
白石は、せっかくボクの家に遊びに来たっていうに、ずっと雑誌を読んでいる。
おまけに、何回呼んでもこの状態だ。
『白石・・・』
「んー」
もう一度呼んだけど、ボクに目もくれないで雑誌ばっかり。
『ねぇ・・・』
「・・・・・・」
とうとう無反応になってしまった。流石にここまでとなると、雑誌に嫉妬する。
でも、雑誌とボク、どっちが大事なんだよ!!
なんて言えないし、寂しいなんて大胆なことを言う勇気もない。それに、どっちにしても白石に迷惑をかけるだけ。それだけはしたくない。
『ねえ・・・・ってば・・・』
寂しい。
寂しいよ、白石・・・
だから、ただただ名前を呼ぶことしかできない。
「不二・・・クン・・・?」
やっと白石が顔をあげてくれた。だんだん嬉しさが溢れてくる。だけど、白石は驚いているような顔をしていた。
何でだろうと考えていると、温かいような冷たいようなものが一つ、また一つと両頬を伝った。
『あ・・・』
そっと自分の頬に触れてみると、濡れている。
ああ、泣いていたんだ。
「不二クン・・・すまん」
そう申し訳なさそうに言って、ボクを優しく抱き締めてくれる白石を一層愛しく思った。
『・・・・・・』
「寂しかったんやろ?」
『えっ・・・分かっててやったの・・・?』
「おん」
ボクがそう聞けば、白石がニヤニヤしている。だんだん怒りが込み上げてきたが、それよりも悲しさが勝る。
その瞬間、ボクの何かが切れた。
『白石のバカ!!・・・ああ寂しかったよ!!そんな雑誌燃やしてやる!!』
思いっきり暴れるが、ビクともしない・・・。
「不二クン、雑誌に嫉妬やいとるん?」
『・・・そうだよ。』
だってキミは雑誌ばかり見てたじゃないか。
ボクのこと見もしなかったじゃないか・・・。
「ホンマにごめんやで、不二クン。」
軽くキスをされた。
『・・・・・・』
「ちょっと意地悪するつもりやってん」
そしてまた強く抱き締められる。ああ、ボクはこんなに愛されてるんだ・・・。
『いいよ、もう』
こんなに愛してくれてるって分かったから。
「おおきに。でも不二クン何だかんだ言うて、俺のこと好きなんやな。」
自信満々にそう言う笑顔をみたら、ああ、やっぱりキミには適わないなって思う。
『好きじゃない。』
「またまたそんな意地張って・・・相変わらず負けん気・・・」
『愛してる』
「ふっ・・・俺もや」
そしてまた強く抱き合った
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ちこから素敵な蔵不二頂きました!
んんーっ エクスタシー!(笑)
ありがとうございました!