ここはどこなのだろう。
真っ暗闇の中、誰もいない。
俺しかいない。
誰の声もしない。ただ、暗闇が広がっているだけ…
もうサッカーから逃げたい。
俺がキャプテンをつとめていても何も変わらない。
フィフスセクターに支配されたサッカーなんて、意味がない。
サッカーに意味がなくなった今、キャプテンの俺が存在する意味は何なんだ?
きっとそんなこと考えても無駄なんだろう。
俺はこの暗闇からは出られないんだろう。
「もう…わからない。俺にはどうすればいいのか…」
悩んだって無駄なんだ。だけど、それしかできないから仕方がない。
「俺の存在意味も…サッカーも…なにもかもわからないままでいいいか。」
とにかく、俺を縛る全てのものから逃げたい。
ただ、楽になりたいんだ。
支配される前のサッカーは自由に羽を伸ばせた。
だけど、今はもう違う。翼を折られたんだ。
俺はこのまま、羽ばたけないのだろうか?
「もう一度だけ…楽しみたい………。」
「――――ン。」
どこからか声がした気がするけど、きっと気のせいだろう。
「―――プテン。」
「え………」
確かに、俺を呼ぶ声がする。
静かに後ろを振り向くと、そこは光に溢れていた。
-end-