短編 | ナノ

彼は確かにそこに居たのです。
ですがそれは虚構の輪郭に変わりました。
誰にも見えやしないし、なぞれません。

私は確かに一緒に居たのです。
ですがそれは過去の事象に変わりました。
誰にも見えやしないし、なぞれません。

私が呟く貴方の名前もただ空気が少し揺れるに過ぎない。
会いたい。その一言だって貴方に届くはずない。
もう一度、帰ってきて良いよ。そんな事言えるはず無い。
まず届かないのだし。

「Welcome home to our world.」

そう言ったなら、またniceな発音だなってほめてくれるかな。

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100125

逆トリ超超短編。