「なぁ、志摩」

この声が好きやと思っとる

「志摩ちゃうやろ?今は二人きりやで、燐」

だからこそ名前を呼んで欲しくて

「あーじゃあ、廉造。」

「なんや?」

「なんだよ状況は」

「俺があぐらかいて燐を後ろから抱きしめてる状況やね。」

「いや、そういう状況を聞いてるんじゃねーし」

わざとはぐらかしたに決まっとるやん

気付いとるんか後ろからやとわからへんけど
ちょっとだけ困っとることはわかる

「なぁ、廉造………怒ってるのか?」

「別に、燐のかっこええ人のランクが圏外だからって怒ってる訳でも落ち込んでる訳ちゃうよ。」

ただ、悔しいだけで

「確かに、廉造はかっこいい人というか、ヘタレではあるけどな。」

「そないにはっきり言われると落ち込むわ」

俺やって燐を守りたい思うとるのに燐の方が強くて情けない思うとるのに

なんか俺ばっかりが燐のこと好きみたいに思えてくるやんか

そう思うと燐を離しとう無くて抱きしめる腕に力が入る

「で、でもさ 廉造。例えヘタレでも、俺の中で廉造は好きな人ランキングでぶっちぎりなんだぜ」

そう言ってはにかんでる燐

あぁ、もうなんで燐は俺を喜ばすのが上手いんやろか

燐の肩に額を乗せ、赤くなった顔を隠す。

燐も若干暖かくなってきたようで照れてるのかと思う

「俺も燐が大好きやで」

そうぽつりと呟くとまた燐が赤くなる



今この時が1番の幸せ









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