odd派生

彼が引き金を引いた。
弾丸は直線上に飛び、
俺に当たる、筈だった。





だが、実際は掠りもしない。
飛び道具は俺には当たらない、
それが俺の異常さの一つなのだから・・・・・・

彼が俺の異常に放心状態になるのを眺めて
思わず口元が歪む。
自分はこんなにも異常なのだから


「さて、宗像先輩
今度は俺が雨を降らせてあげますよ。
・・・・・・刀剣の雨をね」

彼が俺の言葉に反応して
急いで間合いを詰める。

遅いですよ。

彼が俺に触るか否かの瞬間に
俺は地面を揺らし
先程蹴り上げた刀剣を
自分達に降らせる。
いや、自分達ではない
実際に刀剣が刺さるのは彼一人。
俺はただ立っているだけ。
彼は刀剣が刺さり一瞬で血まみれになる。
自分の異常に嘲笑してから彼を見た。

「酷いなぁ、君は僕を殺す気かい」

言葉では責めてるようだが
雰囲気は苦笑している。

「あんたの異常さは、
あれくらいじゃ死なないって信じたんですよ。」

実際生きているのだから
彼も十分異常だな。

「・・・・・・信じる
そうか・・・・そんなことを言われたのは初めてだ。
やっぱり君とは仲良くなれそうだ。
僕の、恋人になってくれ」

・・・・・・・・・・・・
空気が固まる。
先程まで解説などをしていた後ろの皆が
たった一言で唇を閉じ、
彼を睨んでいる。

「宗像三年、善吉は私のものなのでな、横槍を入れないで貰いたい。」

沈黙を破ったのは
やはり彼女だった。
めだかちゃん、突っ込む所が違うだろ。
呆れている間にも討論は続く。

「いや、横槍を入れたのは君の方ではないのか」

「貴様であろう。」

「ちょっと待てよ、お二人さん。
俺は誰のものでもない!」

叫ぶ俺。
詰め寄る二人。
おい、そこの人達見てないで助けろ。

「とにかく善吉、
僕は君を諦めない。
だからまず、僕と友達になってくれ。」

「友達になるならないも
一度闘った以上、俺達は友達ですよ。」

彼が目を見開いて赤面している様は見ていて面白い。



「善吉」

今日も皆は俺に詰め寄る。
でも何処か嬉しかった。
それはあんたが気になってしまったからなのであろう。
だけど、素直に言ってはやらない。
そのかわり、彼の頬に軽い音。
驚いているあんたの顔。
反射的に抱かれた腕。
恥ずかしいが、
今なら受け入れてやる。

俺もあんたが好きだから



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