今日はやけに学校が色付いている。
何だ、この雰囲気は
そう疑問に思ったが俺には関係ないと結論付け、
生徒会室に向かう。


Saint Valentine's Day



「善吉!遅かったではないか」

「人吉君、待っていたよ。」
「人吉、遅い。」

ドアを開けた瞬間
皆からの一言。
一斉に喋るな、俺は聖徳太子ではないぞ。

「いつも通りに来たと思ったんだが、遅いのか?」

「遅いぞ」

「何でだ?」

疑問に思っていたら
喜界島が目の前に綺麗にラッピングされた小箱を
取り出した。

「はい、人吉。」

「私からもあるぞ、善吉」

喜界島から貰ったら
めだかちゃんからも貰えた。

「今日はバレンタインだからね。」

「そっか、今日ってバレンタインだったか
忘れていたよ。」

と言った瞬間
様々な所から大きな音がした。
音がした方向といる人を
順番に上げると
目の前の机に、椅子から落ちた阿久根先輩。
窓から入ろうとして窓ガラスを割った雲仙先輩。
ドアを開けて壊した都城先輩。
都城先輩の後ろで持っていた大量の暗器を床に落とした宗像先輩。

随分と豪華なメンバーが
衝撃的な顔で硬直している。
というか、この沈黙は怖い。

「人吉君、君は俺という存在がありながら・・・・・・」

阿久根先輩、肩を掴んで揺らさないで下さい!
その後阿久根先輩は重い雰囲気を纏って生徒会室の隅で体育座りをしている。

「ケケケ、人吉ィ・・・・」
雲仙先輩は元気が無くなった様で窓から去って行った。

「ヒトキチ、この俺にも
無いと言うのか」
いつも偉そうな都城先輩も
元気が無い様で外を遠い目で眺めている。

「善吉、僕らは友達だろう・・・・・・」
宗像先輩に至っては
暗器を回収することも無く、フラフラと今にも倒れそうな雰囲気で廊下を歩いて行った。

「一体何だったんだ。」
去って行った人にも含めた疑問は答えられる事も無く空気中に溶けた。


Saint Valentine's Day



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