俺は普通を装った異常だった。
ただ、それだけ。


affection


仮面を外し、異常を見せた。
ただそれだけで
元々めだかちゃんに反感していた者にとっては
俺の存在はより恐ろしく感じるらしい。
それで早いとこ、その芽を摘みたい実力差が分からない馬鹿な奴らの
攻撃の的となった。

めだかちゃんに被害がいかないだけ有り難いのだが
一対多勢は些か面倒だ。

「だからといって、
これは酷いですよね、雲仙先輩。」

今ここには俺以外に立っている者はいない。
だけれど、俺は居ると分かったから
空に語り掛けるように
話し掛ける。

「ケケケ、バレてたのか。」

「勿論」

「それにしても人吉ィ、
前々から性格に違和感を感じていたが
それがお前の本性か」

違和感?

「たかだか10歳の餓鬼が俺の仮面に気付いたんですか?
流石は天才少年」

「やっぱりお前も人間が嫌いだったなぁ。
生徒会室で俺の『上から性悪説』を説明してやったとき、テメーは驚きはしていたが目が冷めてたからなぁ」

こいつ、そこまで詳しく見ていたのか。

「それで、俺に何の用ですか」

早く終わらせて帰ろうと
話を切り出したが、
近付いてきた先輩に
ネクタイを引っ張られたと思ったら
先輩の顔が目の前にある。

こんな腰の痛い体勢になせられたせいで
無意識の内に眉間にしわがよる。

「俺のモノになんねーか、人吉ィ」

「は、嫌ですよ。」

いきなりのカミングアウトに思わず鼻で笑ってしまう。

「誰があんたのモノに」

「ケケケ、断られたか。
人間は嫌いだが
テメーは嫌いじゃねぇ。
覚えておけよ、人吉ィ
俺は絶対にお前を手に入れるからな」

そういって去る雲仙先輩。
台詞の後の軽いリップ音。
そして、唇に押し当てられたもの

一瞬、何かは分からなかったが、すぐに正体を理解する。

そして一瞬で赤面した俺は
もう姿が見えない人物に向かって叫んだ。

「あの、マセガキが!」


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -