視察の後、俺と宗像先輩は友達になった。

宗像先輩や生徒会の皆は優しい。
周りの人も仮面を外してから良く話かけてくれたり、
お菓子を分けてくれたりするようになった。

何故か分からないけど
皆といると暖かい。
普通でいるときは上辺だけだと思っていた人達にも色々あると分かり、
仮面を外してからは
色々な物の認識が
まるでフィルターを外したかの様に変わった。

生徒会の方は
十三組に変わり、大変だろうからと暇を貰った。
けれど、することが無くて逆に困ってしまったのは
まだ記憶に新しい。

そんな俺に付き合ってくれたのが宗像先輩だった。
宗像先輩は友達だからと
俺に色々な事を教えてくれた。
勿論武器とかの扱いとかの話ではない。
一緒に普通な日々を送る。
今日も

「善吉、今日はこれを挙げよう。」

そういって渡されたのは
一輪の赤い花

「花・・・・・・ですか?
赤くて綺麗ですね。」

「そうだよ、アネモネという花なんだ
ギリシャ語で風を意味するらしいんだ」

・・・・・・アネモネ
心の中で復唱し、
宗像先輩から贈られた花に視線を送る。

「善吉はアネモネの花言葉を知っているかい?」

花言葉?

「いや、分からないですね。」

そう言うのが分かっていた様な雰囲気で宗像先輩は
「アネモネの花言葉は
清純無垢、期待、無邪気などの花言葉があるけど
赤いアネモネには
別の意味があるんだ。」

「それは、何ですか?」

好奇心から聞いてみた。

それから一息ついて
宗像先輩は決心したのか唇を開く。

「君を愛す」

「へっ!?」

「赤いアネモネの花言葉さ」

なんだ、花言葉か、
・・・・・・何で俺は今落ち込んだんだ?

「本当に君は鈍いんだね」
何時も真顔な宗像先輩が
苦笑している
レアだな・・・・・・
って、
「鈍いって誰がですか?」

「君に決まっているだろう」
先輩が拗ねた様に言う
それでも俺は分から無くて
「何でですか」
と返すと、
宗像先輩は何時ものポーカーフェイスを
崩し赤面しながら

「僕は君、つまり善吉が好きなんだ。」

好き?

「えっ、え、えぇ!?」
先輩の言葉で顔が熱い。

「やっぱり、善吉は可愛いね」

「可愛いって、男に言う台詞じゃないですよ!」
半分絶叫しながら
抱き着く先輩の腕の中で暴れる。

「君は可愛いから良いだろう。
ところで善吉、返事を聞いても良いかい?」

・・・・・・俺は愛とかは正直分からない
でも先輩の腕の中はドキドキするけど落ち着く。
今はまだ分からないけど
この気持ちが恋ならば
俺はこの気持ちに正直になろうと思う。

だから、答えは
「 」



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