オカン臨也
「シズちゃん………」
「なんだよ、臨也。」
いつもの通りの殺し合い。いつも通りに憎み合う筈だったが、彼、平和島静雄は折原臨也の真剣な顔に圧迫され、その雰囲気の要因を聞いてしまう。
「俺もう我慢できないんだよね……」
「だから、なんだよ………」
勿体振り話を切り出さない臨也に多少苛立ちを覚えつつも珍しく忍耐強く臨也の言葉を待つ静雄。
「シズちゃんって……食生活がなってないんだよ!」
漸く出たと思った言葉に自身の唇からは気の抜けた言葉しか出ない。
「だから、シズちゃんって毎日毎日ファーストフードとか寿司とか外食ばっかりで全く栄養バランス考えて無いでしょ」
「あ、それは……」
「だよね。全くシズちゃんってば、ちゃんと栄養は考えてよね…シズちゃん一人の身体って訳じゃないんだから……」
小言が続き圧倒される。多少間違っていると思うがそれを指摘出来る雰囲気でも無い。どうしようかと目を泳がすがもはや静雄に出来ることは臨也の言葉を待つだけだ。
「じゃあ、俺がこれからシズちゃんに正しい生活を送らせるよ」
拒否権の存在しない勝手な決定。助けを叫ぶ静雄の声も気にせず彼を連れゆく臨也。そうして静雄は臨也の行きつけのスーパーに連れられるのであった。
/終わり