茶会ありがとうございましたフリー






殴る。蹴る。
それらの行為は決して彼が憎いからではない。

彼が俺以外の人にとられたく無くて、それが怖くて暴力を振るってしまう。

俺が悪いのに、悪いのは全て俺なのに、彼は黙って俺の行為を受け入れてくれる。

彼の顔を見ていると後悔、安堵、恐怖、幸福などの様々な感情が溢れてくる。


「うぅ…静、雄さん……めんな、さい」

溢れた感情は彼に謝罪することしか出来なくなる。

俺はどうしてこんなにも子供で、彼は大人なんだろう。

そんな些細な事ですらも俺にとっては大きすぎて

そう思う自分に嫌悪して、
そうしてもはや自分自身の存在を支えているとしか考えられない彼に当たってしまう。

それからまた自己嫌悪。

彼が泣く俺を撫でる。
この時くらいしか俺は自分を好きになれない。

「俺は自分が心底嫌いなんだな」

口に出しての自己嫌悪。
俺は笑っているのだろうか。


パァン


乾いた音。痛む頬。
彼が手を抑えている姿に叩かれたのだと理解する。


「ま、正臣が嫌いとか言うな!」

叩いた方の彼が泣く。

「俺は静雄さんが嫌いと言った訳じゃありませんよ」

「俺は正臣が好きだから、正臣が嫌いとか言うと俺まで嫌われたかと思ったんだっ

だ、だから……正臣が俺の事を好きだとか言う前に
まず、正臣自信が自分を好きになれ!」

彼の一言。
一見普通かも知れないけれど、自分を好きになれ。
その言葉は重く、今まで考えられなかった感情に頬を雫が伝う。


「ま、正臣……」

俺が泣いてしまい心配そうな顔にさせてしまった。
彼自身もまだ泣いているというのに……

だが、彼の顔を見ても不思議と罪悪感は無く、逆に更に愛しさが増す。


俺は貴方の言葉に救われているんだ、と再確認。

彼にもっともっと惹かれる俺。
だが、もう恐怖は感じない。


そうして俺は彼に今の気持ちを込めて告げる。


最愛の彼に最高の感謝を









8/31 執筆
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