し、きさん…?
響いた銃声。
膝に埋まる弾丸。
どうして撃たれた俺よりも撃った貴方のほうが痛そうな顔をしているんですか…?
俺は四木さんが好き。
俺達は愛し合っている。
四木さんが「─静雄」
と言って頭をそっと撫でてくれる。
それが1番好き。
俺は本当にこの人を愛しているんだ、と実感する瞬間だから。
だけど─
「すまないな、静雄。
お前に抹殺命令が出たんだ」
辛そうな顔で言う貴方。
拳銃を向けられていることよりも貴方がそんな顔をしているのを見る方が辛い
それに、貴方が撃つなら、貴方が終わらせてくれるのなら俺は
そう思い両手を広げる。
「ごめんなさい。そして、ありがとうございました」
貴方はもっと辛そうな顔になった。
ごめんなさい。ずっと一緒にいるって言ったんですけど……
約束果たせませんでした
渇いた音が響く。
倒れる人、流れるアカ
そうして彼は笑っていく。
「約束、果たすからな。静雄」
もう一度引き金は引かれた。
8/16 執筆