離さない
私は愛している人の全てが欲しいの
誠二は私を頼ってくれる
その事が私を喜ばせてくれる。
だけど、貴方の存在を私は誠二と同じ、いいえ誠二以上に望んでいるの
分かってくれるでしょう?
ねぇ、静雄。
どうしようというのだろうか
彼、平和島静雄は状況を把握した。しかし現状は彼にとっては現実であって欲しくないものである。
今彼は宿敵の彼の部下、矢霧波江に馬乗りになられている。
彼女とは対した面識もないために、こんな状況に陥る理由が彼には理解出来ずに困惑の2文字が頭の中を駆け巡る。
「な、波江さん……」
「何?静雄」
「何ですか、この状況…」
「私が静雄を押し倒しているわね」
途切れる会話。
会話の代わりに彼女の顔が近付く。
「ん、ふっ…ぁ」
「ふふっ、可愛いわね。」
深い深いキス。
漏れる互いの息。
彼女は目の前の彼に腕を回しそっと、しかし強く抱きしめて告げた。
「静雄、愛しているわ。」
絶対に渡さない。
彼女は口元を妖艶に動かした。
大嫌いな私の神様のあっくんに捧げました
8/13 執筆