静雄さんは甘いものが好き。
だから食べに行こうと誘ったら素直に来てくれる。

恋人という立場にある俺に警戒心がないのは嬉しいけど、少し心配になりもする。

今日もいつも通りデートとして甘いものを食べての帰り道。

少し違ったのは

「あ、静雄さんゲーセン寄りませんか?」

「ゲーセン?」

「俺ちょっと用事があるんです」

「あぁ、寄りてぇなら構わねぇよ」

優しい貴方は付き合ってくれる。
本当は用事なんて存在しないんだけど
静雄さんとまだ一緒にいたいという願いで寄る。

中に入ると色々な音が混在する。

ふと静雄さんの足が止まった。
彼が見ていたのはUFOキャッチャーの景品。
しかも某夢の国のキャラクターのぬいぐるみ。
可愛い……とか思っているかと

「ち、違うんだ、これは!」

「静雄さん、欲しいんですか?」

「っえ……あ、あぁ」

「よし、見てて下さい。」

顔を赤らめた静雄さんが欲しそうに見ていたぬいぐるみ。
俺はそれを一回で取る。

「はい、静雄さんプレゼントです」

「あ、有難う正臣。大切にする」

貴方のそんな顔が見られた事が嬉しくてモテる為に練習した過去の自分を褒め讃える。

「あ、静雄さん。プリクラ撮りませんか?」

「プリクラ?」

「せっかくのデートですし、記念に撮りましょうよ」

デートという言葉に赤くなる貴方を引っ張りブースの中へ。

始終赤くなる静雄さん。
可愛いなと思いつつ悪戯心が生まれてくる。

「ほら、静雄さん。ラスト一枚ですよ」

「ん、わかっ…ふ」

ぱしゃり

機械のシャッター音はしっかりと今のを撮ったようだ。

「なっ、ま、さ……」

今日1番の真っ赤な顔。
金魚のように小さな口を開閉して先程の行為を理解しようとしている。

俺はその間にプリクラの落書き………

「はい、静雄さんの分です。なくさないように気をつけて下さいね」

静雄さんの耳元で囁く。
彼は慌てて懐に仕舞っていた。
顔はまだ赤い。
可愛いな…と思い自然に言葉を口にする。



「静雄さん、大好きですよ」

そうして俺は愛を紡ぐ。






8/12 執筆
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